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日本語の助詞「は」と「が」の違いと思ったよりシンプルな使い方

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職場に日本語を学んでいるフィリピン人がいる。そして、フィリピンに長いこと住んでいると、日本語を勉強しているというフィリピン人によく会う。

そしておきまりの「日本語って難しいよねー」「日本で働きたいわ」「先生教えて」という会話からの「日本語の”は”と”が”の違いを教えて」という必殺技が繰り出される。

 

そんなこと、教師でもないネイティブの日本人に聞くのは野暮だ。英語ネイティブに英会話の「a」と「the」の絶妙なニュアンスを教えてと言っているようなものだ。

しつこく聞かれるとこれまた必殺の「それはそういうものだ」という言葉が出てくる。

 

ただ、ここで助詞である「は」と「が」の違いを一刀両断で説明できればきっと一目置かれるに違い無い。そんな日本語の絶妙な表現の違いを今日はご紹介したく思う。

 

日本語の助詞「は」と「が」の違い。名詞文、形容詞文、動詞文

日本語の文には大きく分けて下記のように名詞文、形容詞文、動詞文があるようだ。

  • 加藤さんは社長だ。(名詞文)
  • 加藤さんはやさしい。(形容詞文)
  • 加藤さんが来た。(動詞文)

通常は名詞文、形容詞文では「は」、動詞文では「が」を使う。

 

そして、この3パターンの文の「は」と「が」を入れ替えることもできるが、その場合、他人を排除して、その人物を特定するような意味合いになる。

  • 加藤さんが社長だ。(名詞文)
  • 加藤さんがやさしい。(形容詞文)
  • 加藤さんは来た。(動詞文)

参考:「は」と「が」の使い分けを教えてください。

 

実にわかりやすい。ぶっちゃけ、これだけ知っていても、ドヤ顔の教師面でフィリピン人に説明は可能だ。ただ、もっと表現を掘り下げるため調べてみると、Yahoo知恵袋に次のような説明があった。

 

「は」は副助詞、「が」は格助詞

古い波の絵

副助詞は、語と語の関係を示し、同時に特別な意味を添える機能を有し、格助詞は単に語と語の関係を単に示すものらしい。

これによると、「田中さんが良い人。」 の 「が」 は、語と語の関係を示しているだけで、何ら特別な意味を添えるものでは無いという。

んー、なんか違うような気がする、どっちかというと田中さんが良い人という場合は、他の誰かとの比較で、「やっぱり田中さんが良い人」というような絶妙なニュアンスが含まれているように思う。

参考:日本語の助詞 「は」 と 「が」 の違い。

 

さらには2つの語の機能面にも別の人が言及している。この「別の人が」というのも、他者との比較のニュアンスが入っているのでは無いだろうか。

「は」の機能

  • 主題(トピック)「〜について述べます」という意味です。
  • 対比(コントラスト)複数のものを対比して述べます。
  • 否定(対比の一部)否定は対比なのです。

「が」の機能

  • 主語(例)だれが来ましたか。
  • 目的語(例)日本語が分かりますか。
  • 接続(まあ、これは別ですが)(例)わたしは日本人ですが、かれはオーストラリア人です(この文では、対比の「は」が現れていることに注意)。

ちょっと「は」についての記述に乏しいし、「が」の説明がわかりにくい。さすがの知恵袋もちょっと的を得ない袋加減だった。

 

「は」の後がメイントピックで「が」の直前がメイントピック

習字の文字知恵袋に期待を裏切られて、その後グーグルでくまなく検索したところ、要領を得てそうな説明を目にした。それは

「は」の後がメイントピックで「が」の直前がメイントピック

というものである。

例として、「質問ありますか?」という問いに、

質問無いですとネイティブは言い、質問無いですと言うと不自然に聞こえるというものだ。「質問はあります」「質問があります」と答えた場合の説明がなく、思っていたほど説得力はなかった。

出典:日本語の助詞「は」と「が」の違いは小学生でも理解できるシンプルな一文で違いを説明できる。日本語教師を長年悩ませてきた問題に終止符を打つ。

 

東京大学日本語学習センターの見解

さすがに日本最高峰東大の見解に従っていれば間違いは無いだろう。説明が多少難しいので、5回ぐらい読むと理解できるだろう。

参考:助詞「は」と〈情報構造〉

 

日本語学習なのにいきなり英語でcase maker

ページを開くと思ったより英語が使われており、度肝を抜かれる。日本語学習ページなので全て漢字でも良いくらいだが、日本語圏以外の学習者のためだろうか、各例文にもTanaka drank teaという風に英語で訳が書かれている。

 

「は」はtopic marker、「が」はcase marker

しかし、やはり天才集団のためか、文章が論文的でわかりにくい。読者のためでなく、学会のお偉いさんように書かれているためだ。そこで、言いたいことをまとめてみると、

  1. 佐藤さんはお茶を飲みました。
  2. 佐藤さんがお茶を飲みました。

1.は、「佐藤さんは何を飲んだかというと……(または、佐藤さんは何をしたかというと……)」というような述べ方であり、佐藤さんを話題にしているので、「は」はトピックメーカーだというのである。

そして2.のほうは、いわば「どんなことがあった(起こった)かというと……」というような述べ方なので、「が」はケースメーカーというらしい。

その他東京大学おすすめの日本語学習リンク集

 

日本語助詞「は」「が」まとめ

いろいろと見てきたが、やはり最初に紹介したように名詞文、形容詞文では「は」、動詞文では「が」を使い、その逆もありだが、その場合は、他と比べるようなニュアンスが入ってくると、まず覚えておけば良いかと思う。

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