「ディビソリアのマーケットは危険」「ディビソリアへは近づくな」。日本人だけでなくフィリピン人も口をそろえてマニラにあるフィリピン最大のローカル市場と言われるディビソリアについてそう言います。
私も数年前に行った際は、雑多な人ごみを掻き分け、路上にくりだした無数の露天に驚くとともに、その危険性を肌で感じました。
しかしながら今回、久しぶりに行ってみると、このディビソリア、本質はマーケットではなく、地域内にある巨大なショッピングモールにあると確信しました。
今回は長年のマニラ生活で培ったディビソリアへの行き方、歩き方を紹介しますが100%確実ではありません。多くの人々が言うように用がなければいかないほうが身のためという意見もありますが、私はそうは思いません。
なぜかというと、このディビソリアにはマニラの本当の姿があるからです。
マカティ、BGC、オルティガスには幾多のオフィスビルが立ち並び、英語を流暢に話せるフィリピン人が欧米人と対等にビジネスをしています。
しかしその一方で、通勤に片道2時間かかったり、エレベーターでは何十分も待たないといけない。食事と言えばマクドナルドやジョリビー、KFCなどのチェーン店ばかり。どこかしら、古き良きフィリピンが置いてけぼりになっているように思います。
かたやディビソリアでは庶民が肩をぶつけながら買い物をし、子どもたちが所狭しと走り回る。私はそこにフィリピンの本質があると思ってなりません。
ディビソリアの治安
ディビソリアの治安に関しては、私が今回行った際は、それほど危険ではありませんでした。ただ、フィリピン人に聞くと、「ディビソリアは危険だから行かないほうが良い」と言われるので、最低限の覚悟はしていかなければなりません。
また、日本人ガイドさんがディビソリアをガイド中に強盗に喉を切られたという話も聞いたことがあるので、決して無い話ではないということです。そいうことですので、ディビソリアを歩く際は、下記の点に気を付けて歩くようにしましょう。
一人で行く
複数で行ったほうが良いかと思われますが、昼間前提で行くのであれば一人のほうが良いです。一人のほうが「小回りが利く」「相手のペースに歩く速さを合わせなくて良い」「自分の貴重品に意識が集中できる」と良いことづくめです。これは逆に夜に行く場合は、強盗を避けるために複数人で行ったほうが良いです。
ドンタッチスタイル
自分のカバンを後ろから押してくる奴にはスリが多いです。前カバンを押し付けておいて、カバンの下から手を伸ばし、ポケットから貴重品を取る昔ながらの戦略です。
カバンを押し付けてくる人がいたら、遠慮なくカバンを手でよけましょう。フィリピン人のパーソナルエリアは日本人と比べて狭いので、善良なフィリピン人も押し付けてくる場合がありますが、遠慮なくいきましょう。フィリピン人は細かいことは気にしません。
カバンは持たない
ディビソリアのモールやマーケット内は本当にギュウギュウで身動きが取れない場合が多々あります。かばんを持っていると、身動きが取れない時にカバンをあけられたりカッターで切られたりする場合があります。
できれば現金だけ持って行き、混雑時はポケットに手を突っ込んでガードすると100%スラれません。
まだスリや強盗にお金のありかを教えているの?フィリピン留学で財布を持たないホントの理由
昼間行く
できれば朝行って、夕方前に帰宅するのがベストです。夜間はよからぬことを考えるやからが出没しますし、帰宅ラッシュにまきこまれると混雑がひどくなりスリの危険性が高まります。
早く歩く
これがために一人で行ったほうが良いというところはあります。スリが追いつけないほど早く歩く。早く歩いてついて来る奴がいたら警戒してください。
露天裏歩き
人ごみをさけるためにどんどん露天の裏を通りましょう。露天のスタッフも特に気にはしません。許可をとって場所取りをしている訳ではないと思いますので。
危険地帯回避
昼間でも見るからに人通りが無く、路上にゴミが散乱している場所は避けましょう。また、ストリートチルドレンがたむろっている場所も、囲まれてポケットの貴重品を盗られる可能性があるので、避けて歩きましょう。
予習必須
スマホを持ちながらあっちじゃないこっちじゃないとしているとスリや引ったくりのかっこうの餌食になります。ましてや地球の歩き方なんて読んでた日にゃ、3秒で瞬殺です。予め本記事を読んで場所を行き方を予習しておきましょう。
ヤク中は無敵
ラリッている人には何を言っても無駄ですし、後先のことを考えないため、ためらうことをしません。見るからにラリッている人、ビニール袋を持ってフラフラしている人が近づいてきたら、あれこれ考えずに逃げましょう。
ディビソリアの歩き方
上記は今回行ったディビソリアのモールやスポットです。他にもあるかも知れませんが、ディビソリアを歩く際の参考にしてもらえばと思います。下記では、それらスポットを詳細に見ていきたいと思います。
マニラで激安ショッピング「999モール」
この999モール、侮るなかれ敷地面積が予想外にでかいです。私の中では赤線で囲まれたエリアが999モール。
営業時間
9時00分~22時00分
電話番号
0948 559 5258
マニラの中でも服が安い999モール
ディビソリアのことを記事にしているブログで必ず登場するこの「LAST DAY」という店。たしかにメイン通路にあり、目立っています。価格も60ペソ~150ペソと、文字通り最終日売り尽くしセールの勢い。
歩道橋から999へ向かうまでにも激安衣料品のワゴンセールがたくさんありました。
店内の帽子店。かわいい帽子が100ペソ。
店内は人が多いし、フロアも巨大です。下手をするとグリーンヒルズなんて目じゃないかも知れません。
フィリピンの秋葉原と呼ばれるグリーンヒルズを取材した記事
999モールのフードコートで激ウマチャーハン
おなかもすいたので食事にしようと思いお食事処を探しているとフードコートの案内板がありました。
人が半端ないです。造りはクバオのアリモールのフードコートに似ていますが規模が3倍くらいあります。
唯一、日本人が好きそうな店がありましたが、メニューが色々あって、見るのが面倒くさくて注文を止めました(笑)。
実はこの999モールのフードコート、同じフロアにもう一つあるのです!
けっこうこの手の肉団子てきなものを扱う店が多かったです。
かごの中から好きな具を選んで、鍋で煮るシステムです。私は出来上がるまで悠長なことはできないので、注文はしませんでした。
仕方が無いので、店舗型でなく簡易型飯屋で食をとることにしました。HABEATという店です。
メニューではお皿に盛られていますが、出てくるときはたぶん紙コップを大きくしたような容器に入れられて出てくるのは、フィリピンにいると慣れてきます(笑)。チャーハン(55ペソ)と黒いフィリピンジュース(15ペソ)を注文。
レンジでチンする簡易版のチャーハンと思いきや、かなり本格的。写真を向けると顔を隠すシャイなおなべさんでした。
彼女たちは旅行に来ているのではなく、商品を仕入れに来ています。そこら中に大きいプラスチックのバッグをもった仕入れ担当が歩いています。
予想通り紙コップ(大)に入れられてきたチャーハン。しかし、味は格別。かなりこだわって作った味。殿堂入りです。
電動バイク街のナラ通り
腹ごしらえも済んで今度は999モールの北側のナラ通りという路地を散歩しました(地図)。上記は、なかなかよさげな中華料理。ここでご飯を食べれば良かったと後悔しました。
その中華料理屋の左隣には電動バイクなどの修理屋さんがあります。
その正面には電動バイクの販売店もあり、品揃えもまずまずだったので、マニラで電動バイクを検討している場合は候補に入ると思います。
私も以前バイクを検討しましたが、雨季はカッパを着るのがめんどくさく、暑い季節の汗がだらだらが嫌だったと気付いたので、バイクは購入していません。
マニラでバイク購入を検討していたらLRTモニュメント駅の駅名がネーミングライツされていた記事はこちら。
デメリットでしかないフィリピンでのオートバイ乗車。それを検討している者が下準備として様々なサイトを比較検証。そしてYAMAHA MONUMENTOの誕生。
このディビソリアでは電動トライシクルが多く、所狭しと走り回っています。そういえば心なしか空気の悪さは気になりませんでした。
家庭用品が揃う11/88モール
999モールの後は168モールとチャイナタウンウォークに行こうと思ったのですが、途中によさげなモールがあったので立ち寄ることにしました。
行く途中に右を向くと999モールの連絡通路が見えます。999モールがいかに巨大かわかりますね。
11/88モールです。奥に見えるのはコンドミニアムでしょうか?住めば毎日ディビソリアを散歩できます。
この11/88モールはけっこう家庭用品が多い印象です。
ゴミ箱の15ペソは安い。
上の階にフードコートはありますが、999モールよりは活気は無かったです。
168モールは偽物市場!?
11/88モールを出ると目の前に999モール、左に168モールがあります(地図)。
999モールと168モールが合わさる歴史的場所。たして1167モールです(意味不明)。
名ばかりボディチェックを受けて中へ。999モールのほうはソーラーウイング。
南側はSTAエレナウイングと呼ばれています。STAが未だになんと読めばよいかわかりません。サンタ?ステーション?スタ?
ここが今回見た中で一番ローカル臭が漂っています。
料理しているところを激写!
通路の両サイドに陣取りダブル焼きそばです!
キティちゃんの店は数十件あったでしょうか。サンリオとの契約がどうなっているのかが気になります。
掘り出し物。フードコートの階にありました。海外せどりビジネスはいかがでしょうか?
マニラのYouTuber、エドちゃんねるさんによると、この168モールのフードコートには世界一美味しいチャーハンがあるらしいです。
秘境の神殿的なモール「ディビソリアモール」
当初は「999モール」「168モール」「チャイナタウンモール」の3つを散歩する予定でしたが、168モールからディビソリアモールが近かったので行くことにしました。
168モールの南側出口を出て右を向きます。良くも悪くもヤバイ雰囲気です。
香港のモンコックのような狭い通路の両サイドに雑貨が並びます。
ハンドスピナーが激安です。
フルーツや野菜もなかなかのもの。ただ、ディビソリアまで来て買うほど安いかと言えばそうでもありません。
ヤバイエリアを抜け、奥の奥にこのディビソリアモールがあります。秘境の中でやっと神殿を発見した気持ちです。
こんな奥地にまでフードコートにはわんさかと人がいます。いったいどれだけ人口がいるのかとふと思いました。
営業時間は午前7時~午後7時まで。異様に閉店が早いです。
ハロウィーンの道具やコスチュームも選びたい放題です。
ディビソリアモールの近くには川が流れています。
露天の道具屋。椅子や机のあしの下につけるゴム。値段を聞くと一個45ペソ。高いです。以前カリエド付近でもこのゴム足屋さんはありましたね。
チャイナタウンウォーク(ノーマルモール)
ディビソリアモールの後は途中寄り道をしましたが、チャイナタウンウォークへ向かいました。
地図の変なところで折り返しているところです。てっきり168モールから連絡橋が出ているのかと思ったので、168へ探しに行きましたが168モールから出ている連絡橋ではないようです。
えらいお洒落な建物があるなと思ったらそれがチャイナタウンウォークでした。普通にあると普通のモールなのですが、ディビソリアにあるというだけで何だか高級感漂うモールに早変わりしてしまうのです。
SM並みのきれいさ。奥にはUCCもあります。
トライノマを小さくした感じ。
マニラ ケソンシティ トライノマの焼肉食べ放題YAKIMIX(ヤキミックス)
エスカレーターまで洗練されています。しかし、よく観ると普通の階段を流用しているだけです。
ちなみにラーメン黒田がこのチャイナタウンウォークにあるようです。
格安との評判が高いマニラのラーメン黒田で高級店並みの料金になった話
電車でディビソリアへ行く方法
フィリピン人にディビソリアへの行き方を聞くと、まずレクト駅へ向かってそこからジープニーに乗れと言われますので、ディビソリアへ行くためにLRTのレクト駅又はDoroteo Jose駅へ向かいます。
Doroteo Jose駅で降りた場合は赤線ルート、レクト駅で降りた場合は青線ルートで行くと効率が良いです。ジープに乗らずとも徒歩15分でディビソリアのメインモール「999」へ到着できます。意外とシンプルでした。
クバオ方面から電車でディビソリアへ
クバオ方面からRecto駅に到着した場合は、まずDoroteo Jose駅の方面へ向かいます。向かうだけでDoroteo Jose駅までは実際には行きません。
Recto駅構内を西へ進み、上記写真の場所で右に曲がると連絡通路がありDoroteo Jose駅へ行くことができます。ただ、レクト駅で降りた場合にディビソリアへ行くためには、そのまま真っ直ぐ進み(写真のCEBUANAの垂れ幕がかかっているところを奥に進み)、階段を降り、地上へ。その後、東西にのびるレクト通りを西に直進するだけです。
Doroteo Jose駅とレクト駅間の連絡橋
ディビソリアへ行く場合は、Doroteo Jose駅で行っても、Recto駅で行っても駅をすぐに出れば良いのですが、念のため連絡橋の様子も紹介します。連絡橋を渡っていると、右手に刑務所が見えます。
そして、左手を見るとカジノのあるホテルが見えます。後日行った時の記事→ディビソリア、チャイナタウン、LRTに近いカジノホテル「マニラグランドオペラホテル」
マカティ、マラテ・エルミタ方面から電車でディビソリアへ
マカティ、マラテ・エルミタ方面からディビソリアへ電車で行く場合はLRT1号線に乗ってDoroteo Jose駅で降りるかと思います。駅の出入り口はリサール通りを挟んで、写真の左右(東西)どちらにもあります。
Doroteo Jose駅を降りて南北に走るリサール通りから西に入ると、格安コンドのAmaiaSkiesアベンディアが見えてきます。実はここは以前キアポを散歩した際に記事にしたところです。
Amaiaを正面にして右手、方角的には西へ歩きます。バス通りのためかバスが多いです。以前チャイナタウンへ行った際はここからトライシクルを使って行きました。運賃は忘れました(苦笑)。
途中シベリアンハスキーが大量にいる場所を発見しました。何なのでしょう。謎です。
一つ目の川を渡ります(地図)。すごいところに家があります。
いよいよ、それらしき路地に差し掛かります。
しかし、どうやら行き止まりのようなので左折して、結局はレクト通りに合流しなければならないようです。
2つ目の川です(地図)。先ほどよりゴミの量がひどいです。
そしてそのまま西へ直進しますと、歩道橋が見えます。もうディビソリアはすぐそこです。
歩道橋の上からの写真。ディビソリアの巨大ショッピングモール「999」はすぐに見つかりました。意外とあっさりでした。
まとめ(ディビソリアに行く際に注意すること等)
野外マーケットは大きくない
当初思っていたほど、ディビソリアは広く無かったし、上記で見たようにディビソリアというところは、数個の巨大モールが立ち並ぶエリアであり、世間で思われている、言われているほど野外のマーケットの規模は小さいです。この規模であれば下手をすると野外マーケットはキアポ教会周辺のほうが大きいかもしれません。
グリーンヒルズもビックリ
私はよくグリーンヒルズに行くのですが、品揃えはグリーンヒルズと同等、品数がグリーンヒルズのざっと4倍というところでしょうか。マニラの秋葉原の冠をこのディビソリアに明け渡す時期が来たようです。
ただ、スマホやパソコンの修理ショップは見なかったので、故障、修理に関してはグリーンヒルズがナンバーワンでしょう。
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コメント
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