フィリピン留学の際に電子辞書不要論をこのブログでは何度か紹介してきてなんだが、もし外資系に海外就職し、セキュリティのがっちりした部署に配属されようものなら、スマホの辞書アプリは使えないし、最悪の場合、パソコンでインターネットにさえ接続できない場合もある。
フィリピン留学中は、回線速度は日本と違えど、思う存分ブラウジングはできるが、いざ社会人になると電子辞書が必要になる場合がある。そんな時のために、電子辞書の選び方やおすすめの機種を紹介したいと思う。
電子辞書の選び方【価格】
まずは有無を言わせず、価格。お金がなければ選択肢は狭まってしまうし、あらかじめ選択肢の幅を決めておくのも効率が良い。
無難なビジネス用の電子辞書はだいたい5万円も出せば良いものが購入できる。
格安だからと言って1万円代のものを買ってしまうとおいおいと泣きをみる羽目になる。電子辞書とは長い付き合いになるので、できるだけ良いものを購入したほうがあとあと自分のお財布にも優しい。
電子辞書の選び方【辞書の種類】
やはり社会人たるもの、しっかりとした教養のある辞書が入ったものを選びたい。最低でもロングマンの英英辞書、できればリーダーズかオックスフォードの和英と英和辞書が欲しいところ。
電子辞書の選び方【画面サイズ】
画面サイズは2.2型から5.5型まで。画面が大きいほど見やすいが、それに比例して持ち運びにくくなり、重量も重くなる。電子辞書を利用する状況に合わせて考えよう。例えば、持ち運ぶ機会が少ないなら大きめ。バッグに入れて頻繁に持ち運ぶのであれば小さ目を選ぼう。
現行の電子辞書メーカー
カシオの「EX-word シリーズ」、シャープの「ブレーン(Brain)シリーズ」が現在電子辞書業界では2強となっている。昔は、セイコーインスツルのSIIも選択肢にあったが、スマホ辞書アプリの台頭で電子辞書から2014年に撤退してしまった。
セイコーインスツルのSII
そんな電子辞書から撤退したセイコーインスツルだが、現在でもPASORAMAという機能を備えた電子辞書は根強いファンが多い。その一番の特徴としては、パソコンにつなげて、パソコン上でもいろいろと作業ができる点にある。
PASORAMAの機能

セイコーインスツルHPより
PASORAMAとは電子辞書とパソコンをUSBで接続し、パソコン上で電子辞書の内臓コンテンツを使用できる機能だ。写真のように専用のウインドウが開き、電子辞書内の辞書を検索できるしくみとなっている。ターゲットとしては「電子辞書はパソコン操作と一体化していないので操作が面倒。だからコンテンツの信頼性には満足していないがWebサイトで検索している」人向け。
インターネットのサイトで見つけた英単語、メール内の英単語をコピペして、パソコン上で開いているPASORAMAの入力フィールドに貼り付けるだけで、電子辞書内の辞書を検索できるしくみ。その逆に、PARORAMAのウインドウで表示された検索結果をコピペすることも可能。

セイコーインスツルHPより
インターネットに接続していれば、PASORAMA上で調べている英語をワンクリックでヤフー辞書やWeblio辞書をとおして検索することが可能。プリインストールで9つのサイトが登録されていて、自分が良く使う辞書サイトも登録することが可能である。

セイコーインスツルHPより
また、調べたい英単語が複数形や過去形、三単元のSだった場合もそのまま入力フィールドにコピペして「スペル」ボタンをクリックすれば、候補者が表示される。

セイコーインスツルHPより
パソコン上でPASORAMAを使用する際、「ミニ辞書」ボタンをクリックするとウインドウが小さくなり、ブラウジングの邪魔にならない。
PC検索モード「PASORAMA」を進化させた「PASORAMA+(プラス)」
下記がPASORAMAを搭載したモデル。
- SR-G10001
- SR-G9003
- SR-G9001
- SR-G6100NH
- SR-G6100NH2
- SR-G7001M
- SR-G6001M
- SR-G6001M-NH2
- SR-S9003
- SR-S9002
PASORAMA付電子辞書の種類と価格
物の価格といえば、もうまっさきにAmazonを調べるということが日常茶飯事になってしまったが、例外なくこのセイコーのPASORAMA付電子辞書でも調べてみた。ちなみに※印はフライングで検索した後にPASORAMA対応でなかったことが判明した機種。
- SR-G10001:56,480円より(メーカーHP)
- SR-G10000:27,500円より(メーカーHP)※
- SR-E10000:13,700円より(メーカーHP)※
- SR-G6000M:5,400より(メーカーHP)※
- SR-ME7200:6,700円より(メーカーHP)※
- SR-G9003:17,980円より(メーカーHP)
- SR-G6100NH2:17,800より(メーカーHP、参考)
- SL902X(大学生協モデル SR-S9002同等):7,700円より
Amazonで検索した際は、製造中止のわりにはたくさんでてきたので、あせらなくても良いと思ったが、よくよく調べてみるとPASORAMA対応の機種は4機種(実質3機種)しかなかった(2018年3月時点)。次では、さらに情報を掘り下げてPASORAMA対応の機種を個別に見ていくことにした。
セイコーPASORAMA対応電子辞書SR-G10001

セイコーインスツルHPより
おそらくSRシリーズの最上位機種かと思われる。英語のプロに向けられて作られた電子辞書。英和辞書が6冊搭載。後継のDF-X10000は、液晶のカラー化、タッチパネル化、Wi-Fi、インターネット化等で重量が重くなり、バッテリーの持ちも悪くなり、良い話は一切聞かない。
やはり、電子辞書は電子辞書なりの差別化をはからなければならなかった。このSR-G10001は古き良き電子辞書の特性を兼ね備えている。たとえば電源は流行の充電式と乾電池のハイブリッド。駆動時間はリチウムイオン電池が約23時間(連続表示)、単4アルカリ乾電池×2が約12時間(連続表示)となっている。
値段はAmazonでみると中古で56,480円~104,900円とえらい幅がある。生産中止モデルなので、今後もプレミアがつき価格は下がることは無いだろうと思われる。今が買いだ。
セイコーPASORAMA対応電子辞書SR-G9003

アマゾンより
「ビジネス技術実用英語大辞典」「180万語対訳大辞典 英和・和英」「ビジネス技術実用英語大辞典」等、専門性の高い辞書を多く搭載しているので、ターゲットは技術系のビジネスパーソン向けだろう。その他、基本情報技術者試験の過去問題も掲載しているので、空いた時間での試験対策が可能。
また、SR-G10001同様、リチウムイオン充電池のほか、単4電池×2本、ACアダプタでも利用可能。
山口真弘の電子辞書最前線■ セイコーインスツル「SR-G9003」
セイコーPASORAMA対応電子辞書SR-G6100NH2

アマゾンより
こちらは上記2機種と違い完全に初心者を対象にしている。「NHK ラジオ英会話」1年分(2010年4月~2011年3月)のテキストと音声データで、英会話力アップを目指そう。また、「ブルーガイド わがまま歩き旅行会話」7ヶ国語分、「海外でメニューがわかる本」等、海外旅行でも役立つコンテンツがプリインストールされている。
フィリピンなどの海外から購入はできるか?
どの機種を買うか決まったら、次は購入手続き。特に海外にいる間は、日本の超絶便利な宅配網を期待することができない。たまたま前回、書籍に関しては、アマゾンジャパンからフィリピンへ配達してもらえることを検証した(【誰も知らなかった】日本のアマゾンからフィリピンへ輸入業者を介さず直接送ってもらう方が格安だったなんて)。
しかし、いざ電子媒体となると、輸出入、関税の関係でうかつに日本から品物は送れないことは感覚でわかっている。実際、アマゾンで希望機種をカートにいれ、手続きをすすめると下記の警告が出てきて先に進めない。
ご指定の住所、店舗にお届けできない商品、またはご指定の配送オプションでお届けできない商品が含まれています。配送制限について、詳細はこちらからご確認いただき、お届け先、配送オプションを変更してください。
このセイコーPASORAMAシリーズは上述のとおり、販売は停止しているので、中古品だからというのも原因ではあるだろうが、なんせ、海外に送ることができない。もしアマゾンにて購入する場合は、帰国時にコンビニで受け取るか、古い手にはなるが転送ドットコム(フィリピンマニラにいながら日本のAmazonJPで買い物をし、海外転送サービスを使って海外発送)を使って海外に送ってもらうしかない。
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