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派遣契約が突然の打ち切り。儲かってるときには利用して、ダメな場合は解除ってアリ?

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まさみさん
まさみさん

派遣期間がまだ満了していないのに、突然、派遣契約を終了すると派遣元派遣会社に言われました。派遣期間ってそう簡単に、終了できるものなの?こっちとしても生活があるので、突然の派遣切りが適法かどうか知りたいわ。

 

最近話題になっている、派遣切りですが、前回記事にしたように、地方の自動車メーカーや家電メーカーはその下請け企業も含め、史上まれにみる派遣切りを行っています。

 

 

派遣契約満了のタイミングで、契約を更新しないというのは、わかりますが、中には冒頭のまさみさんのように、派遣契約の途中で打ち切られるパターンもちらほらとニュースになっています。

 

本記事では、その契約途中打ち切りの派遣契約が果たして適法かどうなのかを検証していきたいと思います。違法な場合は、早急に専門家に相談して、生活のための収入を確保しなければなりません。

 

 

派遣先企業は派遣元派遣会社との契約を簡単に打ち切ることはできない

 

(労働者派遣契約の解除に当たつて講ずべき措置)
第二十九条の二 労働者派遣の役務の提供を受ける者は、その者の都合による労働者派遣契約の解除に当たつては、当該労働者派遣に係る派遣労働者の新たな就業の機会の確保、労働者派遣をする事業主による当該派遣労働者に対する休業手当等の支払に要する費用を確保するための当該費用の負担その他の当該派遣労働者の雇用の安定を図るために必要な措置を講じなければならない。

上記は、労働者派遣法第29条の2。派遣先企業の都合で派遣契約を解除する場合には次のような措置を講じなければならないと定められています。

 

下記のような派遣労働者の「雇用安定のための措置」が必要

  • 派遣社員に新しい就業機会を確保
  • 派遣社員の休業手当などにかかる費用を派遣元派遣会社へ支払う

 

逆に言うと、これらの措置を講じれば、派遣先企業都合で、派遣契約を途中で解除できるということになります。では、派遣先企業都合でない場合はどうなるのでしょう?

 

たとえば今回のコロナ禍による生産調整による派遣契約の解除でも、「派遣労働者の雇用安定のための措置」が必要になるのでしょうか?新型コロナウィルスは、派遣先企業の責任でも何でもない話なので、企業目線で言えば、それらの措置はいらないように思えます

 

実は、この場合でも「派遣労働者の雇用安定のための措置」は必要であると、厚生労働省のQ&Aには記載されています。下記で、この厚生労働省のQ&Aについて深堀してみます。

 

新型コロナウイルス感染症に関するQ&A(労働者派遣について)

 

厚生労働省から出ているQ&Aは、今回の新型コロナ禍による労働者派遣契約の中途解除等について述べられています。

PDF 新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言や、要請・指示を受けた事業 の休止に伴う労働者派遣契約の中途解除等について

 

質問は全部で3つ。下記で詳しく見ます。

 

事業休止による派遣契約解除においての「派遣労働者の雇用安定のための措置」

 

問1(派遣先企業からの質問)「改正新型インフルエンザ特別措置法」に基づく緊急事態宣言下における都道府県知事から施設の使用制限や停止等の要請・指示等を受け、事業を休止しました。

事業の休止によって、派遣契約を中途解除しないといけなくなったのですが、我々のような派遣先企業は「派遣労働者の雇用安定のための措置(法29条の2)」を講じないといけませんか?

 

講じなければなりません。労働者派遣契約の中途解除が派遣先企業の都合によらないものであっても、派遣先企業は、「派遣先が講ずべき措置に関する指針」第2の6の(3)に基づき、関連会社での就業をあっせんするなどにより、派遣労働者の新たな就業機会の確保を図ることが必要です

PDF 派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針

 

事業休止による派遣契約の一時停止や変更

 

問2(派遣先企業からの質問)「改正新型インフルエンザ特別措置法」に基づく緊急事態宣言下における都道府県知事から施設の使用制限や停止等の要請・指示等を受け、事業を休止しました。

労働者派遣契約の履行を一時的に停止する場合や、労働者派遣契約の内容の一部を変更する場合に、派遣先企業は派遣元人材会社へ派遣料金や金銭補償を支払わなければいけませんか?

 

下記のような場合は、民事上の契約関係の話ですので、労働者派遣契約上の規定に基づき、派遣元と派遣先でよく
話し合い、対応してください。

  • 派遣契約の履行を一時的に停止する場合
  • 労働時間や日数など労働者派遣契約の内容の一部を変更する場合

 

派遣先企業の休止に伴う派遣元人材会社の対応

 

問3(派遣元人材会社からの質問)「改正新型インフルエンザ特別措置法」に基づく緊急事態宣言下における都道府県知事から施設の使用制限や停止等の要請・指示等を受け、派遣先企業が事業を休止しました。

それに伴い、派遣先企業から派遣契約の中途解除を申し込まれていますが、どのような対応をしたらよいでしょうか?

 

派遣元人材会社は、派遣先企業との間で労働者派遣契約が中途解除された場合であっても、労働者派遣の終了のみを理由として派遣労働者を解雇してはなりません(「派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針」第2の2の(3)及び(4))。

 

派遣先企業とも協力しながら、別の就業場所を探したり、休業手当の支払い等を行わなければなりません(労働基準法等)。

 

ちなみに、派遣元人材会社が派遣労働者に休業手当を支払う場合には、雇用調整助成金が利用できる場合があります。

 

派遣社員と派遣元人材会社との契約は半永久的に続く

 

オフィスの男女

 

これは今回のコロナ禍に限った話ではないですが、派遣社員は、派遣先企業での派遣契約が終了した場合でも、派遣元人材会社との雇用契約は存続しているので、派遣元人材会社は、当該派遣社員を継続して雇用し続けなければなりません

 

コロナ禍によって、派遣先企業が少なくなった場合でも、自社の事務部門で勤務させたり、休業手当を払って休業させる等の措置を講じなければなりません。

 

前述の厚生労働省とのQ&Aにもあったとおり、休業させた場合は、雇用調整助成金という制度もあるので、派遣先企業が生産調整に入ったから、派遣元人材会社と派遣労働者との雇用関係は終わりではなく、2者間の雇用契約は半永久的に継続されるのです

 

もし、派遣契約で不利益を被った場合のセーフティネット

 

もし、突然の派遣契約解除で路頭に迷った場合は、すぐに専門家に相談しましょう。全国には、こういった派遣労働者を含めた企業と労働者間の相談窓口となっている労働組合が必ずあります。

 

一人で悩むことなく、一度、相談してみることをおすすめします。

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