みなさんこんにちは。過去にもちょいちょい記事にしていたトランスファーワイズ。
今日は、そんなトランスファーワイズがデビットカードを出したので、それについて、記事にしたいと思います。
トランスファーワイズと言えば、海外送金が格安でできるということで、Skypeで働いていたエンジニアが開発した外貨両替サービス。
私たち海外勢がそんな会社がデビットカードを出したとなれば気になるのは自然の流れ。気になる、海外での現金引き出しの手数料やカード発行のメリット・デメリットを中心に紹介したいと思います。
トランスファーワイズのデビットカードはしれっと発表されていた
2021年1月26日、フィンテック企業TransferWiseの日本法人「トランスファーワイズ・ジャパン」は、「TransferWise デビットカード」の日本での提供開始を発表しました。
「海外取引手数料が無料」、「事務手数料は最大4分の1」という鳴り物入りでデビットカード業界に殴り込みをかけるようです。
話題のデビットカードはどんな場面で使えるの?
トランスファーワイズのデビットカードは他社が発行しているデビットカードと同様の使い方が可能です。私やこのブログの読者さんが気になりそうな場面は下記のとおりでしょう。
- 海外のATMで現金を引き出すことができる(日本未対応)
- 海外旅行で買い物をした際に、カード支払いができる
- 海外旅行の際のホテルをネット決済できる
カードを使って日本のATMでの現金引き出しは現状ではできないようですが、私たちは既に日本の銀行のキャッシュカードを持っているので特に問題は無いでしょう。
ベールを脱ぐトランスファーワイズデビットカードのATM手数料
公式発表では、「隠れコストを支払うことなく決済できる」「手数料が最大で4分の1」「海外支出関連の手数料の節約に貢献」というような、抽象的な表現で、私たち海外ガチ勢が最も気になる具体的なコストが発表されていません。
その上、公式ホームページ上でも、手数料については、現行の「ヨーロッパ」「オーストラリア」「シンガポール」「アメリカ」等で発行されたデビットカードにしか言及しておらず、日本で発行されたカードについての表記がありません。
ただ、アジアで日本以外で発行されているシンガポールと仕様は同じと思いますので、シンガポールや同じカテゴリーでグルーピングされているオーストラリアとニュージーランドで発行されたデビットカードを元に下記で料金を類推したいと思います。
ATMの出金手数料は一定額は無料!?
トランスファーワイズのデビットカードを利用して、日本国外のATMで現金を引き出した場合は、なんと毎月2回以内、ある一定の金額まで手数料は無料です。
この「ある一定」の金額が上記のとおりまだ公表されていないのですが、アジア・オセアニア地区の下記3つの金額を参考にすると「毎月27,000円を2回まで引き出す分には無料」で落ち着きそうです。
毎月2回まで最大350AUD/NZD/SGDの無料出金額日本円換算
- 350AUD:28,465.50円
- 350NZD:26,549.13円
- 350SGD:27,676.91円
(2月11日 13:58 UTC)
毎月3回以上、又は27,000円を超えた引き出しの場合、アジア・オセアニア地区3ヵ国では、下記のとおりの手数料(日本円だと120円くらい)と出金額の1.75%の手数料がかかると予想されます。
一定出金回数と一定金額を超えると発生する1.75%の手数料と定額手数料の日本円換算
- 1.5AUD:122.00円
- 1.5NZD:113.79円
- 1.5SGD:118.62円
(2月11日 14:11 UTC)
ただ、注意したい点はATM引き出し手数料はある程度は無料なのですが、引き出す際にトランスファーワイズ内で現地の通貨に両替する際は、ちゃっかり手数料はとられるので、「引き出し手数料は無料だから」と無制限に引き出さないように注意したいところです。ATM引き出しの詳しい流れは後述します。
ATM引き出し時の決済限度額
上記で、ATM引出時の無料枠と無料枠を超えた場合の手数料を見てきましたが、手数料を払えば無制限で現金を引き出せるわけではなく、限度額が設定されています。
後ほど、他の決済手段と合わせて紹介していますが、ATM引出時の引き出し限度額は下記のとおりです。
1回当たり
初期設定金額:約 71,000円
最大限度金額:約 71,000円
1日当たり
初期設定金額:約 215,000円
最大限度金額:約 215,000円
1月当たり
初期設定金額:約 415,000円
最大限度金額:約 553,000円
以前、タイに3日くらい旅行に行った際は、1回で20,000バーツ(約60,000円)引き出したのですが、かなりあまってしまいました。ですので普通に観光していれば、デフォルトの限度額で問題なさそうです。
ただ、1ヶ月で約27,000円以上海外ATMで引き出すと追加で手数料がかかるので注意したいですね。
ATM引き出しの流れ
ここでは実際に、トランスファーワイズのデビットカードを利用して日本国外で引き出した際の流れを紹介します。ネット上でシンガポール発行のデビットカードをマレーシアで使用した例が載っていたのでそれを参考にします。
海外ATMで現金を引き出す際は、「カードをそのまま挿入して現金を引き出す方法」と、「引き出す前にトランスファーワイズ内のマルチカレンシー内で両替するというステップをかます方法」があります。どの時点での両替レートを使用するかの違いなので、あまり差異はありません。
マレーシアで予めTransferWise内で両替せず100リンギットの現金をATMで引き出すと33シンガポールドルがSGD口座から引き落とされます。内訳は下記のとおり。
- 引出分:32.5シンガポールドル(100MYR÷為替レート3.05)
- 手数料: 0.5シンガポールドル(32.5SGD×手数料レート0.69%)
手数料レートの0.69%は両替通貨によって変わり(0.24% – 3.69%)、ATMによってはATM独自の手数料が課される場合もあるようです。
1回・1日・1ヶ月当たりの決済限度額
海外ATMでの現金引き出しの限度額については前述しましたが、トランスファーワイズのデビットカードはATM引き出し以外に色々な利用方法があり、利用方法毎にデフォルトの限度額と設定で変更できる限度額が「1回あたり」「1日あたり」「1ヶ月あたり」というふうに3種類の限度額が下記のとおり決まっています。
これも現時点では、上記のとおり日本発行のデビットカードについては情報が無いので、アジア・オセアニア発行のものをもとにすると下記のようになります。
便宜上1日当たりのもののみ、デフォルトの限度額と設定で変更できる最大の限度額を紹介します。
ICチップ(暗証暗号)利用時
の決済限度額
- 1日当たり(初期額):約 420,000円
- 1日当たり(最大額):約1,400,000円
コンタクトレス利用時
の決済限度額
- 1日当たり(初期額):約 71,000円
- 1日当たり(最大額):約 138,000円
磁気ストライプ利用時
の決済限度額
- 1日当たり(初期額):約 55,000円
- 1日当たり(最大額):約 166,000円
オンライン利用時
の決済限度額
- 1日当たり(初期額):約 138,000円
- 1日当たり(最大額):約1,400,000円
トランスファーワイズのデビットカードはポスト新生銀行になれる
私は以前、フィリピンの語学学校で働いていたのですが、その際の持ち物に推奨していたのが新生銀行のキャッシュカード。
お手軽にフィリピンのATMで現金の引き出しができて、クレジットカードのキャッシングような複雑な手数料もありませんでした。しかしながら、その新生銀行のキャッシュカードの海外対応が2018年12月をもって終了。
多くの場合、滞在型の語学留学の場合、授業料と滞在費は日本にいる間に日本の口座に振り込む流れとなっているので、現地で必要になるのは、歯磨き粉やイレギュラーな飲み会費用。
とすれば、無料手数料の範囲内の月2回27,000円以内に現地引き出し金額を抑えることは可能だと思います。たとえ、27,000円を超えても手数料は「120円+出金額の1.75%」なので、海外旅行等で10万円相当を現地で引き出した場合でも手数料は1,870円です。
新生銀行は現地で10万円相当を引き出すと手数料が4%でしたので、4,000円。このトランスファーワイズのデビットカードは、新生銀行のキャッシュカードの代わりとして、十分に海外留学や海外旅行に持って行く価値はあると言えます。
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