台中市内から少し外れたエリアを歩いていたとき、ふと周囲の空気が変わる一角に出会いました。
観光地でもなく、案内板があるわけでもない。人通りは少なく、生活音もほとんど聞こえません。ただ、植物だけがやけに元気に広がっている場所でした。
手入れされていない建物と、覆われた車
道沿いには、長い間使われていないように見える建物がいくつか並んでいます。
外壁はところどころ傷み、窓は閉ざされたまま。それでも完全な廃墟というほど崩れてはいなくて、「人が離れてから、それほど年月が経っていないのかもしれない」そんな印象も受けました。
近くには、ブルーシートで覆われたままの車。落ち葉が積もり、周囲の草とほとんど一体化しています。
放置されている理由は分かりませんが、ここでは“時間の流れ”が少し違っているように感じられました。
緑に包まれるように残る生活の痕跡
建物の裏側に回ると、壁やフェンスを越えて植物が建物を包み込むように伸びています。
枝やツルが窓の高さまで届き、まるで自然が、静かにこの場所を回収しているよう。
人の手が入らなくなった途端、台湾の強い生命力が前に出てくるのだと、あらためて実感しました。
近づきすぎず、立ち止まって見る

この場所について、由来や名前、詳しい背景を示すものは見当たりませんでした。
ネット上ではいろいろな呼び方もあるようですが、現地では特別な説明もなく、ただ「そこにある」という感じ。
無理に中へ入ることもせず、写真を数枚撮り、しばらく周囲を眺めて立ち去りました。
怖さというより、少しだけ現実から浮いたような、不思議な静けさが印象に残ります。
まとめ:台中には、観光地でない台中もある

台中といえば、カフェ、美術館、夜市、緑道、明るく洗練されたイメージが強い街です。
でも、少し歩くルートを変えるだけで、観光ガイドには載らない“別の表情”に出会うことがあります。
この場所もそのひとつ。特別な目的地ではないけれど、台中という街の奥行きを感じさせてくれる、そんな一角でした。



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