みなさんこんばんは。クリスマスイブのさなかいかがお過ごしでしょうか?ロマンチックな夜にちなんで今日はアユタヤの遺跡「ワット・マハタート」を紹介したいと思います。
前回、タイ旅行へ行った際に、序盤に行ったのですが、その情報の裏付けをとることに時間がかかり(歴史シリーズは基本的に時間がかかります)、記事の公開が延び延びになってしまいました。
世界遺産だからと言って、ガイドさんに案内されるままではなくて、その背景を知ってから行くと数倍にも楽しむことができますので、この記事を参考にワットマハタートの理解を深めていただければと思います。
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ワット・マハタートの歴史
ワットマハタートは、タイ中部のアユタヤにある仏教寺院で、プラアラム公園の北東の角にあるチクンロードとナレスアンロードの間にある古のアユタヤ王朝の中心部分に位置しています。
公式のタイの歴史によると、ダムロン・ラジャヌハブ王子によるアユタヤ王室の年代記の調査が記すとおり、ワットマハタートの歴史はボロママラチャ1世がこの場所に寺院(ワットマハタートとは別の名前)を建立した1374年に始まるとありますが、諸説あります。
「寅年のビルマ暦736年ソムデット・プラ・ボロンマラチャティラトとプラ・マハテラ・タンマカンラヤンは、宮殿(ロイヤルゲーブルオブライオン)の東側にある宝石で飾られた聖遺物箱(プラ・シー・ラッタナ・マハタート)を建てました。高さは38メートルの高さであり、高さ6メートルの9つの先端部を備えています。」
彼の甥で後継者のラメシュアン(1369-1370、1388-1395)は、1384年に敷地を拡張し、王位の職に就いている間に偉大な寺院を建設しました。その寺院が現在の名前「ワット・マハタート」ということになっています。
ワット・マハタートと世界遺産
1967年、アユタヤ遺跡の中心地域が正式にタイ芸術局により歴史公園に指定され、その後、芸術局によるユネスコへの推薦もありワットマハタートを含めた下記の遺跡のあるアユタヤ歴史公園が1991年に基準Ⅲの下で世界遺産に登録されました。
- 王宮
- ワット・プラシーサンペット
- ウィハーン・プラモンコンボーピット
- ワット・ウォーラチェーターラーム
- ワット・ローカヤスターラーム
- ワット・ラーチャブーラナ
- ワット・マハータート
- ワット・プララーム
- ワット・ウボーソット
内接エリアは、アユタヤ島の中央部と南西部の289ヘクタールのみをカバーし、結果として、特定の史跡グループのみがユネスコの保護下になりました。世界遺産に登録されていない遺跡は、ワットヤイチャイモンコン、ワットファナンチョーン、ワットチャイワタナラム、ワットプーカオトンなど、アユタヤ島を超えた遺跡群です。
なぜ仏頭が木の根元に絡んでいるのか?
このワットマハタートを一躍有名にしたのが、木の根っこ付近にある首から上だけの仏像。根っこに絡まっているためちょっとやそっとじゃ取り出せません。一説によれば、ビルマ軍が切り取った後、放置した仏像の頭部が、長い年月の間に木の根に取り込まれ、木を切らないと取り出せなくなったものだと言われています。
参考:14世紀後半に建立された謎の多い寺院遺跡 木の根に取り込まれた仏頭が戦争の悲惨さを物語る ワット マハタート(アユタヤ)
仏頭を取り込んでいる木の名前
仏頭に絡んでいる木の名前は特にはありませんが、一般に菩提樹と言われています。
菩提樹(ぼだいじゅ)は、木の名としては次の1.・2.・3.の意味で使われる。
- インド原産のクワ科イチジク属の常緑高木インドボダイジュ。
- 1に近縁な、インド原産のクワ科イチジク属の常緑高木ベンガルボダイジュ。
- 中国原産のシナノキ科シナノキ属の落葉高木ボダイジュ(Tilia miqueliana)。
参照:菩提樹
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木の根の仏頭への行き方
木の根の仏頭の場所は、ワットマハタートの敷地の南東、意外にも大通りから見えそうな所にあります。入り口を入って右、まっすぐ進んで左に曲がると人だかりがあるのですぐにわかると思います。
ワット・マハタートのみどころ
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ドローンを飛ばすことは禁止されているのですが、おそらく禁止前にドローンで撮ったワットマハタート全体の写真がインスタグラムにアップされていました。敷地内はそこまで広くなく、その割に前述の木の根の仏頭を含めた、たくさんのみどころスポットがあります。
中央聖遺物箱(prang)と周辺の回廊(gallaries)
ワット・マハタートの仏塔群は、ヒンドゥー教と仏教の宇宙観を象徴するために建てられました。
寺院の中央にある高台に立つ中央の聖遺物箱は、海に囲まれた宇宙の中心であるメル山を表しています。現在では大きな土台だけが残っており、聖遺物箱のレンガ上部は崩壊しています。
中央聖遺物箱は、プラットフォームの角にある4つの小さな聖遺物箱に囲まれ、中庭を囲む回廊に囲まれています。回廊には無数の仏像が並んでおり、当時は木製の屋根で覆われていました。
ウィハーンルアン(Viharn Luang)
中央聖遺物箱の東にはメイン集会場があり、大礼拝堂(ウィハーンルアン)が西の回廊につながっています。その正面玄関は、昇る太陽に向かって東でした。2列の柱が40メートルの長さの建物の屋根を支えていました。主要な仏像は、東に面したビハーンの裏にある台座の上にありました。今日、高台と、偽窓のある壁の一部が残っています。
- VIHARN:タイ仏教寺院の大きな礼拝堂
- LUANG:大きな
オーディネーションホール(The ordination hall)
中央の聖遺物箱(prang)の反対側にはウボソット(本堂:ubosot)があり、オーディネーションホールは修道士に叙階される修行僧用でした。ウィハーンルアン(Viharn Luang)よりも小さく、東の回廊につながっています。 ホールは、ウボソットの神聖なエリアを示す8つのセマ石に囲まれています。
その他の構造
東から西に並んでいる寺院の主要な建物の両側には、異なる期間に建てられたいくつかの小さなウィハーンとチェディがあります。寺院の複合体は、西と東への大きな入り口のある壁に囲まれていました。
出典:Wat Mahathat, “the temple of the Great Relic”
ビルマ軍に破壊された痕跡
敷地内には写真のように、石の瓦礫が敷き詰められている箇所があります。よく見ると仏像の1部だということがわかります。おそらくビルマ軍によって破壊された仏像をひとまとめにしているのだと思います。
これは南東にある仏塔(チェーディー:chedi)。よく見ると仏像の座部だけが残っているのが生々しいです。
一見、何の変哲もない写真ですが、左の仏像以外の仏像の首が無いのがお分かりになりますでしょうか?
ワット・マハタートの観光マナー
ワットマハタートの入り口を入ってすぐに拝観マナーの看板が立てられています。ここには載っていませんが、仏頭の上から写真を撮ることも良くないとされています(出所不明)。おそらく、当たり前のことすぎて、ここには載っていないのだと思われます。
- 仏像の上に登らない。
- 仏塔には登らない
- 頭の無い仏像の上に、自分の顔を置いて写真を撮るようなことをしない。
- プラーン(仏塔)に登らない。
- 仏像の台に乗らない。
- 壁に登らない。
と思ったら菩提樹仏頭の目の前に「仏像の頭部より上に立たないようにお願いいたします。」という注意書きがありました。
ドローンも禁止されています。仏像の頭部より上に立たつことが禁止されているので、仏頭のはるか上を飛ぶドローンが禁止されるのは自然の摂理ですね。
ワットマハタートまでの道のり
私が行った際はノープランでチャリンコをぶっ放したので、ナレースワン通りを爆走したのですが、素直に大通りであるチクン通り(Chikun Alley)から行けばよかったです。エントランス近くには駐輪場があるのでそこに自転車を駐車します。
入り口で入場料を払って入場します。入った直後に巨大な仏塔が現れますが、ピサの斜塔のように傾いていて、今にも崩れそうなのがわかります。
営業時間・拝観料
- 営業時間:8:00~18:00、ライトアップは19:00~21:00
- 入場料:50バーツ
ワットマハタートの拝観終了後
ワットマハタートの拝観終了後は、全体模型を見て、売店でお土産を買い、次の寺院へ向かいましょう。
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