営業や事務の予備知識として、法律系の資格をサクッと取りたいんだけど、どの資格がお手頃なのか全然わからないわ。
今日はそんな悩みを解消しようと思います。
法律系ということで、当初は法律の基本である民法が出題科目である資格に限定しようかと思いましたが、数資格しかヒットしないので、曖昧に私が個人的にカテゴライズした法律系ということで紹介したいと思います。
ちなみに司法試験、司法書士試験は、難易度がケタ外れに高いので本記事では省略したいと思います。また、ビジネス実務法務1級とFP技能士1級も便宜上割愛しています。
標準学習時間
標準学習時間は、インターネット上で算出されているものに幅をもたせて下記で紹介します。ただ、民法債権法務士と労働法務士は、創設されて間もないので、私の経験則からはじき出しています。
各試験の学習時間比較
試験名 | 勉強時間 |
ビジネス実務法務検定3級 | 40時間 |
ビジネス実務法務検定2級 | 60時間 |
民法債権法務士認定試験 | 120時間 |
労働法務士認定試験 | 120時間 |
FP技能士3級 | 100時間 |
FP技能士2級 | 150~300時間 |
宅地建物取引士(宅建士) | 200~400時間 |
行政書士 | 500~800時間 |
社会保険労務士(社労士) | 1,000時間 |
合格率
民法債権法務士と労働法務士は、例によって経験則で算出。その他の合格率は直近の合格率を記載しています。
各試験の合格率比較
- ビジネス実務法務:75.1%(3級)、40.9%(2級)
- 民法債権法務士認定試験:70%
- 労働法務士認定試験:70%
- FP技能士:60%(3級)、35%(2級)
- 宅地建物取引士(宅建士):17%
- 行政書士:11.5%
- 社会保険労務士(社労士):6.6%
各試験の難易度詳細
難易度は、ただ単純に合格率を比較する方法もありますが、盲点なのはその勉強時間。合格率がたとえ高くとも勉強時間がべらぼうであれば、それは簡単な資格ではないことになります。
ビジネス実務法務検定の難易度
3級は債権や労務を含めた企業取引に関するビジネスパーソンとしての業務上理解しておくべき基本的な知識が問われます。2級はそれに加えて、知的財産や固定資産管理、消費者契約法などの経済関連法規、国際取引に関する知識が問われます。
公式サイト ビジネス実務法務検定試験®/東京商工会議所検定試験情報
- 学習時間:40時間(3級)、60時間(2級)
- 受験資格:無
- 試験頻度:年2回
- 試験時期:6月、12月
- 試験形態:マークシート方式
- 合格率(2019年平均):75.1%(3級)、40.9%(2級)
民法債権法務士認定試験の難易度
民法の債権編に関連した問題だけが出題される、かなりピンポイントな認定試験。民法改正が2020年4月から施行されることから、知識のアップデートに最適な認定試験と言えます。
公式サイト 民法債権法務士認定試験/全日本情報学習振興協会 法学検定実行委員会
- 学習時間:120時間
- 受験資格:無
- 試験頻度:?
- 試験時期:?
- 試験形態:マークシート方式
- 合格率:70%
労働法務士認定試験の難易度
社労士試験の労働法編が試験範囲に含まれる試験なので、社労士試験のとっかかりには良いかもしれません。合格率は、公開されていませんが、個人情報保護士の導入時期のように、テキストをまんべんなく読み込めば合格するレベル、おそらく70%前後だと予想します。
公式サイト 労働法務士認定試験/全日本情報学習振興協会
- 学習時間:120時間
- 受験資格:無
- 試験頻度:?
- 試験時期:?
- 試験形態:マークシート方式
- 合格率:70%
FP技能士3級・2級の難易度
FP技能士とは、税金、投資、不動産、相続などの個人のファイナンシャルプラニングに助言を行うことのできる国家資格です。2級の上には1級があるのですが、難易度が高いのでここでは割愛します。
FP技能士3級は国家資格の中でも難易度が低い部類に入り、資格取得の登竜門として機能しています。基本的な知識があり、十分な時間がとれれば2週間の勉強時間で済む場合もありますが、そうでなくても3ヶ月あれば確実に合格できる試験です。
FP技能士2級は、3級よりも格段に難易度が増しており、勉強時間もそれに比例して長くなります。学習者の環境にもよりますが、だいたい4~5ヶ月ほどで合格している人が多いようです。
公式サイト 日本FP協会
- 学習時間:30~120時間(3級)、150~300時間(2級)
- 受験資格:無
- 試験頻度:年に3回
- 試験時期:1月、5月、9月
- 試験形態:マークシート方式
- 合格率:60%(3級)、35%(2級)
宅地建物取引士試験の難易度
不動産業のうち、売買や仲介といった取引(流通)を取り扱う宅地建物取引業の免許取得に必要な宅地建物取引士。いつの間にか士業になっていて個人的には驚きました。
以前は宅地建物取引主任者という名称だったのですが、2015年4月より宅地建物取引士となったようです。元々も国家資格だったのですが、名称変更でさらに肩書にはくがつくことになります。
公式サイト 一般財団法人 不動産適正取引推進機構
- 学習時間:200~400時間
- 受験資格:無
- 試験頻度:年1回
- 試験時期:10月第3日曜日
- 試験形態:マークシート方式
- 合格率:17%(2019年)
行政書士試験の難易度
行政書士試験は「官公署に提出する書類」「権利義務に関する書類」「事実証明に関する書類」の作成とその代理、相談業務等を行うことができる行政書士になるために必要な試験です。
試験範囲は「憲法」「民法」「商法」など、条文が多く、判例も多岐にわたるものが多いので、過去問等でしっかりと頻出分野を確認することが大事です。
公式サイト 一般財団法人行政書士試験研究センター
- 学習時間:500~800時間
- 受験資格:無
- 試験頻度:年1回
- 試験時期:11月中旬
- 試験形態:マークシート方式、文字記入方式
- 合格率:11.5%(2019年)
社労士試験の難易度
社労士は労働社会保険諸法令に基づく申請書等及び帳簿書類の作成等を行うことができます。ハローワークに行くと失業保険申請窓口に社労士専用の窓口があった記憶があります。社労士の多くは企業に勤務している勤務社労士で、社会保険などの給与計算や労働紛争解決に従事しています。
公式サイト 全国社会保険労務士会連合会 試験センター
- 学習時間:1,000時間
- 受験資格:大卒又は実務経験等
- 試験頻度:年1回
- 試験時期:8月
- 試験形態:マークシート方式
- 合格率:6.6%
サクッととれるおすすめの資格・検定・認定試験は?
その人の嗜好や就業中の業務にもよると思いますが、サクッと短期で効率よく取れるおすすめの法律系の資格は「ビジネス実務法務検定」と「FP技能士」です。
その大きな年に複数回ある試験日。年1回だとどうしてもスケジュール管理やモチベーション維持が難しく、もし万が一不合格だった場合に、1年間棒に振ることになります。
そういった意味では、FP技能士の3級と2級は年に3回もあるので、サクッと気軽にとれる資格の代名詞と言えるでしょう。
大学生でもとれるおすすめ資格は?
上記では、冒頭の花子さんの「営業や事務に役立つサクッととれる法律系の資格」の紹介でしたが、大学生がとる場合にはどうでしょうか?受験資格と相まって気になるところです。
実は、ファイナンシャルプランナー3級の受験資格は、「FP業務に従事している者または従事しようとしている者」なので、大学生でもやる気があれば受験できます。また、試験を主催する日本FP協会も「大学生・高校生のためのFP資格ガイドブック」を作り、お金にまつわる正しい知識を資格の勉強を通して身に着けることを推奨しています。
また、ビジネス実務法務検定も受験資格が無いので、大学生でも受験可能です。3級から初めて2級へ、さらに法律に対して興味がわいてきたなら宅建士や行政書士を目指すのが良いでしょう。
おすすめ資格の勉強方法は独学?資格予備校?
サクッと法律資格の「ファイナンシャルプランナー」と「ビジネス実務法務検定」ですが、独学で勉強したほうが良いのでしょうか?それとも資格の学校に申し込んで講義を聴いたりするほうが良いのでしょうか?
正解は、その人のバックグラウンドによります。大学の法学部や、社会人で法律関係の仕事に就いている場合は、独学で、テキストと過去問を読み込めば合格可能です。
人生で法律にあまり触れてきたことが無い人は、資格の学校に申し込んだほうが良いでしょう。初心者の人が独学で曖昧で変な知識を身に着けるよりかは、初めから体系立てて専門家の講義を聴いたり、質問したりすることで、最短で合格でき、費用も長期間の独学より逆に安くなる場合もあります。
最近ではオンラインで完結する資格の学校もあるので、サクッと資格なら空いた時間に受講して、合格を勝ち取ることが可能です。オンライン資格学校については、以前に記事にしたので参考まで。
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