こんにちは、サワディカップTKJです。今回はバンコクの三代寺院の一つ、ワット・アルン(暁の寺)をじっくりと拝観してきました。
川の対岸から眺めるシルエットも美しいですが、境内に足を踏み入れると、その精緻な装飾と圧倒的なスケール感に改めて驚かされます。今回は56枚の写真とともに、入場から境内の隅々まで、その魅力を詳しくレポートします。
参拝前に知っておきたい基本情報
ワット・アルンを快適に観光するために、押さえておくべきポイントがいくつかあります。まず、対岸からの船やMRTを使った具体的なアクセス方法については、別記事の【2026年最新】ワット・アルンへの行き方・帰り方完全ガイドで詳しく解説していますので、出発前にチェックしてみてください。
これだけは観ておきたい!必見ポイント5選
広い境内の中でも、特に「これだけは見逃せない」という見どころをまとめました。実際に歩いて感じた、私なりのチェックリストです。
- 大仏塔の陶器装飾:間近で見ると、色鮮やかな中国磁器の欠片で作られた緻密な花模様に圧倒されます。
- 急階段とパノラマビュー:中層部へ続く階段は驚くほどの傾斜ですが、そこから眺めるチャオプラヤー川の絶景は登る価値ありです。
- 本堂を護るヤック(鬼):巨大でカラフルな白と緑の守護神。伝統衣装を着た観光客との撮影スポットとしても人気です。
- タクシン王のベッドくぐり:祭壇にあるベッドの下をくぐる厄除け体験。タイの深い信仰に触れられる貴重な場所です。
- 西出口エリアの衣装店:寺院の裏側に広がるローカルな雰囲気と、ずらりと並ぶタイ伝統衣装のレンタル店は今のトレンドです。
入場までの流れと厳しい服装規定
ワット・アルンへ到着すると、まずは拝観の準備。ここは非常に神聖な場所なので、服装規定が厳しく設定されています。

案内板にある通り、肩出しや短いパンツ、ミニスカートはNGです。入り口でストールなどの貸し出しもありますが、あらかじめ配慮した格好で行くのがスムーズです。



入り口付近には多くの観光客が集まっていました。拝観料は1人200バーツ。窓口には「CASH ONLY」の文字もありました。待機エリアには山積みのミネラルウォーターがあり、暑さの中での観光には水分補給が欠かせません。
大仏塔(大プラーン)を見上げる

ゲートをくぐると、目の前に現れるのが高さ約80メートルの大仏塔(大プラーン)。白く輝くその姿は、何度見ても息を呑む美しさです。


塔の真下まで行くと、その装飾の細かさに驚かされます。伝統衣装に身を包んで撮影を楽しむ観光客も多く、色とりどりの衣装が白い塔によく映えています。
手すり必須!急すぎる階段に挑む

この大仏塔は、中層部分まで階段で登ることができます。しかし、この階段が信じられないほど急。手すりがしっかり設置されているので、一歩一歩慎重に進みます。実はこの階段を登ることは、仏教の宇宙観における「天界への階段」を疑似体験することでもあるのです。


上から見下ろすと、その勾配の凄さがよくわかります。下りは特に注意が必要ですが、ここからの景色は格別です。


階段横の鬼を撮りたかったのですが、民族衣装組が映え写真を撮り終わるまで待機し、何とか撮り終えました。実はこの像、後述しますが色々と諸説あるようです。
テラスエリアの「猿(ハヌマーン)」と「テバノン(天人)」

大仏塔は中ほどのテラスまでのぼることができ、大仏塔の周りを歩いて回ることができます。この通路がかなり細くて、すれ違うのが困難。こういうときに状況を見て譲り合ったり、気を使って写真を撮ったりと、人種によってリアクションが違うのが興味深い。


テラスを歩きながらふと目線を上げると、次の段を力強く支える「猿(ハヌマーン)」の姿が見えます。逆に、足元の手すりや壁面に目を向けると、そこには静かに合掌して祈る「テバノン(天人)」たちが並んでいました。一見すると「天人が下なの?」と事前情報との違いに戸惑いますが、その辺は諸説あり、ネットで調べても正確な情報は皆無でした(苦笑)。

また、「下層の像はヤック(鬼)」という固定観念が先行し、先ほどヤック(鬼)と説明した下層のこの像。これらの像を 「テバノン(天人/天使)」 と呼ぶ説やガイドさんは多いようです。よく見ると、入り口にいる巨大な守護神のような鋭い牙や剥き出しの目はなく、非常に穏やかで神々しい顔立ちをしています。 この「神に近い美しさ」から、天使を意味する 「テバノン(テパノン)」 や 「デヴァタ(天人)」 と紹介されることが多いようです。
以前のワット・アルンはもっと「古色」を帯びた色合いでしたが、2017年の大規模修復で全体が真っ白な漆喰で塗り直されました。 これにより、本来「鬼(ヤック)」としての荒々しさを持っていた彫像までもが、色白でクリーンな「天使」のような見た目に変化したことも、テバノン説を後押ししています。

空へ向かって伸びる尖塔。壁面は花をモチーフにした陶器で埋め尽くされています。この緻密な装飾がワット・アルン最大の見どころです。そして、一番てっぺんのくぼみには、三つの頭を持つ聖なる象(エラワン)に乗った「インドラ神」が鎮座しています。
下層の力仕事から、上層の祈りの姿へ。垂直に伸びる塔の装飾そのものが、一つの物語になっているようです。


テラス部分から見れる格子の奥には涅槃仏を含む複数の仏像が安置されており、多くの人が足を止めて静かに眺めていました。
陶器の欠片が織りなす繊細な芸術と「闇」
【こぼれ話】美しすぎる改修と「消えた装飾」の噂
この精緻な陶器装飾ですが、実は地元では少し生々しい「黒い噂」が囁かれることもあります。記憶に新しい2017年の大規模修復の際、あまりに見た目が「白く」激変したため、タイ国内で大きな議論を呼びました。
その際、剥がされた18〜19世紀の貴重な中国磁器の行方が問題に。「一部の僧侶や関係者が、アンティークとして裏で売却したのではないか」「強力な霊力を持つお守り(プラ・クルアン)の材料として横領されたのでは?」という疑惑がSNSを中心に噴出したのです。寺院側は否定していますが、そんな真偽不明の噂が飛び交うほど、この壁を彩る欠片一つひとつが「宝物」として認識されている証拠とも言えますね。建設に携わる身としては、歴史的建造物の修復におけるコンプライアンスの難しさを、こんな異国の地でも感じてしまいました(笑)。
境内の設備:地図・売店・ATM
ワット・アルンの境内は広く、観光客向けの設備もしっかり整っています。まずは案内図で全体像を把握するのがおすすめです。


案内図はタイ語、英語、中国語で分かりやすく表記されています。大仏塔だけでなく、本堂や船着場の位置も一目でわかります。


土産物店では人気のタイパンツが200バーツ程度で売られていました。軽食エリアもあり、赤い椅子で一休みする人の姿がバンコクらしい光景です。


「ARUN CAFE」というお洒落なカフェもありました。タイ様式の建物でいただくコーヒーは格別でしょう。


驚いたのはATMや両替所の充実ぶりです。現金が必要になった時も安心ですね。AEDの案内板もあり、安全面への配慮も感じられます。
タクシン王ゆかりの祭壇と不思議な儀式

ワット・アルンはタクシン王ゆかりの寺院でもあります。赤い花で飾られた祭壇には、多くの参拝客が訪れていました。


通路を進むと「タクシン王のベッド」と言われる場所があり、その下をくぐると厄除けや幸運に恵まれるという言い伝えがあるそうです。私も倣ってくぐらせていただきました。


堂内には金色の仏像が並び、非常に厳かな空気が流れています。熱心に祈る人々の姿が印象的でした。
本堂の美しさと守護神ヤック

本堂(ウボーソット)の入り口では、2体の巨大な守護神が睨みを効かせています。白と緑の対照的な色彩が非常に鮮やかで、多くの観光客が足を止めるフォトスポットです。実はこの2体、よく「鬼(ヤック)と猿(ハヌマーン)」のペアだと思われがちなのですが、実際はどちらも「鬼(ヤック)」なんです。
【豆知識】見分けのポイントは「足元」にあり
右側の緑の鬼は、魔王として名高い「トッサカン」。そして左側の白い鬼は、千の顔を持つと言われる「サハッサデーチャ」という鬼の王です。白い色をしているので猿の軍神ハヌマーンと混同されやすいのですが、決定的な違いはその足元に隠されていました。
タイの伝統的な彫像のルールでは、「鬼(ヤック)は靴を履き、猿(モック)は裸足」と決まっています。写真の足元をよく見てみると、白い方も緑の方も、豪華な刺繍が施されたような立派なブーツを履いているのが分かります。もしこれが猿なら、指の見える裸足で造形されているはず。現場の細部まで目を光らせると思わぬ発見があるものです。


本堂の周りには、日傘を差して歩く伝統衣装姿の人々。白い柱と金色の装飾、そして青空が最高の背景。タイの民族衣装をなめてましたが、近くでみると10倍くらいきれいに見えます。
映えの極み。本気でタイ伝統衣装を楽しむなら
境内を歩いていると、本当に多くの観光客が伝統衣装(チュタイ)を着て撮影を楽しんでいます。寺院の裏手には安価なレンタル店も並んでいますが、「せっかくワット・アルンで撮るなら、安っぽくない質感の良い衣装と、プロのメイクで完璧に仕上げたい」というこだわり派に支持されているのが、こちらのバタフライ・スタジオです。
ヘアセットからメイクまでトータルでプロデュースしてくれるので、仕上がりの「本気度」が違います。Klookで事前予約しておけば、当日スムーズに「変身」して、最高の状態で参拝を開始できますよ。
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回廊の外側にはオレンジ色の布を纏った仏像がずらりと並び、その中心には豪華絢爛な本堂が見えてきます。


本堂の内部は、主仏の神々しさと壁一面の壁画に圧倒されます。外壁の幾何学模様のタイル装飾も、気が遠くなるほど精巧です。
近くにいたガイドさんの話を少し聞きかじったのですが、塔の土台部分は完全に真っ直ぐではなく、中央に向かってわずかに曲線を描いているのだとか。これは巨大な建物が重みで沈んで見える視覚的な錯覚を防ぐための技法であり、同時に人々を悟りの岸へ運ぶ「船」を象徴しているという説もあるそうです。それを知ってから改めて眺めると、職人たちの並々ならぬこだわりが伝わってきて、より一層感慨深く感じられました。


どこを切り取っても絵になる光景ばかり。赤いフレームに吊るされた鐘の列も、フォトスポットとして人気でした。


仏像が描かれた巨大な銅鑼。その重厚な佇まいが、寺院の歴史を感じさせます。


大小さまざまな仏塔が重なり合う景色。足元の植物とのコントラストも美しいですね。
謎の自己中おばちゃん軍団
ワットアルンの景色を堪能し、写真を撮っていたところ、「エクスキューズミー」とアジア系の中年の女性に突然声をかけられました。てっきり、写真をお願いされるのかと思ったら、「こっちへちょっとどけて」というジェスチャー。
最初は、何のことやら理解するのに時間がかかりましたが、彼女らが仏塔を背景に写真を撮るのに、私の姿が入るのが邪魔だったらしいです。
自分たちの写真のために、人をどかすとか意味が分かりませんでした。写真を撮りたかったら、シャッターチャンスになるまで待つべきだと、私は思います。日本人でないことを願います。
清々しい庭園エリア
大仏塔からヤック、本堂へダイレクトに行きがちですが、ちょっと道草すると、色々とマニアックな出会いがあります。

菩提樹から川のほうへ進み、川に沿って北上するとタイ国王の銅像。盆栽なども綺麗に手入れされており、静かな空気が流れています。地味なのか、観光客はゼロ。

そして、タイ国王の銅像のすぐそばにあるのが「第九方丈の記念塔」。
ここは歴代の住職や、ワット・アルンの維持・発展に尽力された方々の功績を称える神聖な場所なのだそうです。白い壁に囲まれた通路の先にそびえる塔の佇まいは、大仏塔のような煌びやかさとはまた違う、歴史の重みを感じさせる深い静寂に包まれていました。この寺院が守り継がれてきた時間を感じるために、ぜひ立ち寄ってほしい場所の一つです。

「第九方丈の記念塔」の目の前にあるゴツゴツとした岩山は、タイの伝統的な庭園様式で「カオモー(Khao Mo)」と呼ばれます。
案内板には「ミニチュア・マウンテン」と記されており、仏教の聖なる山を模した場所なのだそうです。西洋風の帽子を被ったユニークな石像が並ぶこのエリアは、境内の喧騒から少し離れた隠れたフォトスポット。ぜひ足を止めて、その造形をじっくり眺めてみてください。
休憩:アイスクリームと伝統衣装

暑い中歩き回ったので、少し休憩。売店のアイスクリームでクールダウンします。

今回選んだのは、爽やかなライム系のアイスバー。日傘を差して休む人々も多く、タイの強い日差しを感じます。
境内の奥深く、そして帰路へ


何気なく歩いているこの石畳ですが、実は19世紀の国際貿易の歴史が詰まっています。当時、中国へ米などを輸出した帰りの船が軽くなりすぎないよう、「バラスト(重石)」として積み込まれた石材や石像が、この寺院の舗装や装飾に再利用されているのです。不揃いな質感の石一つひとつが、かつての交易の激しさを物語っています。


壁沿いには寺院の歴史を伝えるパネルもあり、単なる観光地としてだけでなく、深い信仰と歴史の場であることを再確認させてくれます。

最後に再び本堂へ立ち寄り、主仏に挨拶をして今回の拝観を終えました。本堂の主仏「プラ・プッタ・タンマミレート・ロカナート」は、ただ美しいだけではありません。実はこの台座の下には、ワット・アルンをこよなく愛した国王、ラーマ2世の遺骨が納められています。黄金に輝く仏像の前に座り、静かに手を合わせる人々の姿を見ていると、ここがタイの人々にとってどれほど特別な場所であるかが伝わってきます。
そして、拝観後に私が通り抜けた「西出口」の外には、観光地とは一線を画すローカルな世界が広がっていました。伝統衣装のレンタル店が並ぶ路地裏の様子は、ワット・アルン西出口(裏手)の散策ガイドに詳しくまとめています。時間に余裕がある方は、ぜひ立ち寄ってみることをおすすめします。
喫煙所もそこにあります(笑)。
まとめ
ワット・アルンは、バンコク観光において絶対に外せない場所です。圧倒的なスケールの大仏塔はもちろん、今回ご紹介した本堂やタクシン王ゆかりの場所など、見どころが尽きません。ぜひ皆さんも、時間をたっぷり取って、その魅力を全身で感じてみてください。
ワット・アルンを満喫した後は、西出口側のローカルな路地裏を散策しながら、MRTでのスマートな帰り方をチェックしてみてください。バンコクのまた違った一面が見えてきますよ!




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