バンコク

ワットポー完全版|世界遺産級の碑文・歴史・マッサージ文化(行き方/見どころは別記事)

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先に結論:ワットポーは「寝仏(涅槃像)だけ」で終わるともったいないです。
この記事では、ユネスコ記憶遺産としての歴史や、タイ式マッサージの総本山としての背景を深掘りして解説しています。

ワット・ポーは、バンコクのプラナコーン区にある仏教寺院です。王宮(グランドパレス)のすぐ南、ラタナコシン島と呼ばれるエリアに位置します。全長46mの涅槃像(ねはんぞう)が安置されていることで知られ、正式名称を「ワット・プラ・チェトゥポン・ウィモンマンカララーラム・ラジワラマハウィハン」と言います。

 

一般的に知られている「ワット・ポー」という名は、アユタヤ時代の旧称である「ワット・ポタラム(菩提の寺)」が短縮されたものです。

 

 

ワット・ポーの概要

ワットポー(Wat Pho/ワットポー)のチェディ(仏塔)装飾を見上げたアップ、タイルと陶器の花模様がびっしりで迫力がある

ワット・ポーは、タイにある6つの第一級最高ランク王室寺院(第一級ラーチャウォーラマハーウィハーン)の筆頭に位置づけられています。

 

ラーマ1世によって再建されたこの寺院は、本尊の台座の下に彼の遺骨が安置されているなど、チャクリ王朝にとって極めて重要な結びつきを持っています。

第一級ラーチャウォーラマハーウィハーン(最高位)

  1. ワット・ポー(バンコク)
  2. ワット・アルン(バンコク)
  3. ワット・スタット(バンコク)
  4. ワット・マハータート(アユタヤ)
  5. ワット・プラ・パトム・チェディ(ナコーンパトム)
  6. ワット・プラプッタバート(サラブリー)

 

ワット・ポーは後にラーマ3世によって大規模に拡張・改修されました。境内には、全長46mの巨大な涅槃像を含む、タイ国内最大級の仏像群が収められています。

 

ワットポーと世界遺産(ユネスコ記憶遺産)

ユネスコ記憶遺産証明書

大理石の図板

大理石の図板

大理石の碑文

ワット・ポーは「タイ最古の公立教育機関」と考えられており、民衆の指導のために境内に置かれた大理石の図板や碑文は、2011年にユネスコの「世界記憶遺産」として登録されました。

Inscription Wat Pho / ワットポー公式HP

 

ワット・ポーとマッサージ

ワット・ポーにはタイ伝統医学の学校があり、タイ式マッサージの発祥・保存の地としても世界的に知られています(詳細は後述)。

 

ドレスコード・服装・礼儀作法

寺院内は宗教儀式が行われる神聖な場所です。境内に入ったら、静かに礼儀正しく振る舞う必要があります。

 

露出の多い服装(膝が見えるズボンやスカート、タンクトップ等)は禁止されており、礼儀正しい服装が求められます。お堂に入る前には、必ず靴を脱いでください。また、女性は僧侶が儀式を行うための専用エリアへの立ち入りや、僧侶への接触が厳禁されています。

 

仏像はすべての仏教徒にとって崇拝の対象です。写真を撮ることは可能ですが、仏像に登るなどの不敬な行為は絶対に避けてください。僧侶に対しても、言葉遣いやマナーにおいて敬意を払うことが求められます。

【参考】Visit plan / ワットポー公式HP

 

休館日や営業時間

  • 営業時間:8:00~18:30
  • 涅槃像拝観時間:8:30~16:00
  • タイ式マッサージ営業時間:8:30~19:00
  • 休館日:年中無休(※王室行事等による臨時休館を除く)

【参考】王室公式ホームページ

 

巨大な金色の涅槃像(リクライニング・ブッダ)

ワットポーの巨大な涅槃仏(寝仏像)を足元からの写真。左下に人。

 

涅槃堂(ウィハーン・プラノーン)は、1832年にラーマ3世によって建立されました。この仏像の姿勢は「獅子の寝姿(シーハサイヤ)」と呼ばれ、釈迦が悟りを開き、涅槃に入る直前の様子を表しています。

高さ15メートル、長さ46メートルを誇り、タイ国内でも最大級の仏像のひとつです。レンガを核に漆喰で成形され、その上から美しい金箔が施されています。頭部は、ガラスモザイクで装飾された2つの箱枕によって支えられています。

 

ワットポーの涅槃仏、螺鈿細工の足裏と金色の巨大な寝釈迦(室内全景)

特筆すべきは仏像の足の裏です。高さ3m、長さ4.5mの足裏には真珠貝を使った「螺鈿(らでん)細工」が施されています。108つのパネルに分けられた図絵には、仏教の世界観を示す縁起の良い文様が精巧に描かれています。

堂内の廊下には108つの青銅製の鉢が並んでいます。ここにコインを1枚ずつ落としていくことで、煩悩を捨て、徳を積む(タンブン)ことができると言われており、参拝者に人気です。

 

ワットポーの涅槃仏、金色の頭部(螺旋状の髪)と豪華な枕の装飾をアップで撮影

涅槃像は通年で拝観可能ですが、4月のソンクラーン(タイ正月)時期には特別な祝祭が行われます。参拝者が投じるコインや寄付金は、寺院の維持管理のために大切に使われています。

 

タイマッサージ

ワットポー(Wat Pho)のマッサージ案内ボード(緑色の展示パネルに施術説明と図柄一覧)

ワット・ポーは「タイ最初の大学」とみなされており、壁画や彫刻を通じて宗教・科学・文学などを教える場でした。1955年には伝統医学とマッサージの学校が設立され、現在は薬学・医療・助産・マッサージの4コースが提供されています。

 

ここはタイ教育省によって承認された最初のタイ医学学校であり、今日に至るまで伝統医学の全国本部および教育の中心地となっています。タイマッサージの講習は数週間の短期から1年の長期コースまで幅広く開催されています。

 

ワット・ポー境内のカラフルな仏塔、細かなタイル装飾が目立つクローズアップ

境内の東端にあるパビリオンでは、伝統的なタイ式マッサージの施術を実際に受けることができます。これまで135カ国以上の人々がここで技術を学び、世界中に広めてきました。

 

境内には、セラピストのための教本となる医学碑文や図解が数多く残されています。北側の医学館にある30の図板には、エネルギーの通り道である「セン(sen)」や指圧点が刻まれており、東洋医学の深い知恵を今に伝えています。これらの図解に関する研究は、現在も続けられています。

マッサージ料金(目安)

  • タイマッサージ30分:260バーツ
  • タイマッサージ1時間:420バーツ
  • フットマッサージ30分:280バーツ
  • フットマッサージ1時間:420バーツ

 

ワットポーの歴史と見どころ

ワット・ポー(Wat Pho/ワット・ポー)入口付近の庭園に「WELCOME TO WATPHO」と植栽で描かれた歓迎サイン

ワット・ポーはバンコク最古の寺院のひとつであり、1782年にチャクリ王朝のラーマ1世が現在の場所に遷都する以前から存在していました。旧称の「ワット・ポタラム(菩提の寺)」が現在の名の由来です。

 

ラーマ1世は、アユタヤやスコータイなどの廃墟から1,200体以上の仏像を回収し、ワット・ポーに安置させました。1767年にビルマ軍によって破壊されたアユタヤの「ワット・プラ・シー・サンペット」にあった巨大仏の残骸も、境内の仏塔(チェディ)の中に組み込まれています。再建には7年以上の歳月を要しました。

 

ワットポーの木陰に並ぶ黒い像とシダの庭(雨上がりの境内)

1832年、ラーマ3世はさらなる大規模改修に着手しました。16年以上をかけたこの事業により、敷地は現在の約80,000㎡(東京ドーム約2個分)まで拡大され、涅槃堂を含む現在の主要な建造物の多くがこの時期に完成しました。

 

彼はまた、寺院を「開かれた教育センター」とするため、壁や石柱にさまざまな知識を刻ませました。これが2011年のユネスコ世界記憶遺産登録につながっています。ワット・ポーは単なる信仰の場ではなく、タイにおける近代教育の先駆けとしての歴史を歩んできました。

 

ワットポー境内の庭園、黒い像と花柄の柱(しっとり濡れた石畳)

ラーマ4世の代に現在の正式名称へと改称され、その後は大きな構造変更はなく、継続的な修復作業によってその美しさが保たれています。

▽参考記事▽

ワット・プラ・シー・サンペット完全ガイド

 

寺院の建物群

ワットポー境内図

  1. プラ・ウボソット(本堂)
  2. カンペーン・ケーオ(低い壁)
  3. 東ウィハーン(礼拝堂)
  4. 南ウィハーン(礼拝堂)
  5. 西ウィハーン(礼拝堂)
  6. 北ウィハーン(礼拝堂)
  7. プラ・プラーン(仏塔)
  8. 5連のチェディ(仏塔)
  9. プラ・チェディ・ライ(小仏塔)
  10. プラ・ラビアン(回廊)
  11. プラ・ウィハーン・コッド(角の礼拝堂)
  12. カオ・モア(石の庭園)
  1. プラ・マハ・チェディ(4大仏塔)
  2. プラ・モンドップ(経蔵)
  3. 各パビリオン
  4. ウィハーン・プラノーン(涅槃堂)
  5. サラ・カーン・パリエーン(説教所)
  6. ミサカワン公園
  7. クロコダイル池
  8. 鐘楼
  9. 各ゲート
  10. マッサージサービス
  11. サラ・ライ(外周パビリオン)

ワット・ポーの境内は、チェトゥポン通りを挟んで、北側の「礼拝エリア(プッタワット)」と南側の「僧侶居住エリア(サンカワット)」に分かれています。観光客が主に訪れるのは北側のエリアです。

 

中国式の石像 門を守る巨大な石像は、かつて中国との貿易船が「重り(バラスト)」として積んでいたものが再利用されています。よく見ると、当時のヨーロッパ人を模したユニークな姿のものも混ざっています。

境内の石版には、歴史、医学、仏教など8分野の知識が刻まれており、かつての百科事典としての役割を果たしていました。これらは「サラ・ライ」と呼ばれるパビリオンで見学可能です。

 

プラ・ウボソット(本堂)

ワットポーの寺院建物(白い柱と赤金の屋根、修復中の足場が組まれた外観)

寺院内で最も神聖な場所であり、重要な儀式が行われるメインホールです。ラーマ1世によってアユタヤ様式で建てられ、後にラーマ3世がラタナコシン様式で再建しました。

本尊を参拝する様子

堂内には、黄金の仏像「プラ・ブッダ・テバ・パティマコーン」が安置されています。台座の下にはラーマ1世の遺骨が納められています。周囲の壁画にはラーマキエン物語が描かれており、高い芸術性を誇ります。

 

 

プラ・ラビアン(回廊)

回廊の仏像群1

本堂を囲む二重の回廊には、タイ各地の廃寺から集められた約400体の仏像が並んでいます。内側に150体、外側に244体が鎮座しています。

回廊の仏像群2

これらの仏像は、スコータイやアユタヤなど異なる時代のものですが、ラーマ1世による金箔の貼り替えにより、統一感のある美しい景観を創り出しています。

 

アクセス(詳細は別記事)

詳細・最新情報はアクセス専用ページへ
ワットポー行き方|MRTサナムチャイ駅からのルート

王宮(ワット・プラケオ)のすぐ隣に位置します。王宮→ワット・ポー→ワット・アルンという順序で回ると、船を効率よく使えてスムーズです。

公式の3Dマップは一見の価値あり
ワットポー公式サイト

 

移動手段まとめ

■ 電車(MRT)
MRTブルーラインのサナムチャイ駅が最寄りです。主要駅(アソーク、シーロム等)から乗り換えなし、渋滞知らずでアクセス可能です。

MRTサナムチャイ駅

■ バス
カオサン方面からは44番のバスが便利で安価(約10〜15バーツ)です。北側のバス停で降りればすぐです。

■ トゥクトゥク
カオサンからなら50〜100バーツ、フアランポーン駅からなら150バーツ前後が目安。タイらしい体験をしたい方向け。

 


 

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