バンコクの隣町、サムットプラーカーンにある「エラワン・ミュージアム(Erawan Museum)」。巨大な三つの頭を持つ象が鎮座するその姿は、一度見たら忘れられないインパクトがあります。

ここは、ムアンボーランやサンクチュアリ・オブ・トゥルースを手掛けた故レック・ウィリヤパン氏が、東洋の芸術と精神を守るために創設した聖域。今回は、実際に私が自分の足で敷地内を歩き、公式が推奨する巡礼ポイントを辿りながら、その神秘的な庭園の魅力を探索してきました。サワディカップTKJです。
1. BTSの車窓から現れる巨大な影

BTSエラワン博物館(Chang Erawan)駅に近づくと、電車の窓から突如として巨大な象の姿が飛び込んできました。このエラワン象は、ヒンドゥー教の神インドラの乗り物である聖獣「アイラヴァータ」がモデル。実は今回、事前情報を何も仕入れずに訪れたのですが、そのスケールの大きさに思わず感動。期待に胸を膨らませて駅に降り立ちました。
2. 北側の入口を目指してバイタクで移動

駅に到着後、少し北へ歩くとバイクタクシー(Win)乗り場を発見しました。30バーツで交渉し、ミュージアムへと向かいます。バイタクはくねくねと裏道を通っていき、最初は時間稼ぎをされているのかと思いましたが、実は博物館の入り口が北側にあるためでした。バイタクのおかげでスムーズに入口ゲートへ到着です。徒歩で戻った際に分かりましたが、駅からは北側の正門を目指すのが正解ルートのようです。
【重要】靴を脱ぐエリアが多数!汚れても良い足元で
エラワン・ミュージアムを巡る上で、意外と盲点なのが靴の扱いです。メインの博物館内部はもちろん、庭園に点在する祠(ほこら)の周辺も、靴を脱いで上がるエリアが非常に多いです。中には屋外のタイルや石畳を裸足で歩く場面もあり、スプリンクラーのミストで少し湿っていたり、砂埃で足裏が真っ黒になったりすることも珍しくありません。
快適に参拝するためのアドバイス
- 素足派:脱ぎ履きしやすいサンダルが最強です。
- 靴下派:お気に入りの白い靴下はやめておきましょう。汚れても良い靴下を履いてくるか、割り切って裸足になる覚悟が必要です。
私は今回、お気に入りの靴下を死守しようとしましたが、結局最後は「郷に入っては郷に従え」で裸足になりました。足元を気にせず、この神秘的な空間を存分に楽しむなら、最初から対策しておきましょう。ちなみに、台座の周りを歩くときは、象の足元を通ると幸運が訪れるという言い伝えもあります。
3. 入場手続きとオーディオガイド
まずはチケット窓口で拝観料を支払います。入場料は500バーツ。地味に財布に直撃しますが、その価値は十分にあります。受付ではオーディオガイドの貸し出し(パスポート等のデポジットが必要)も行われていました。英語や中国語などはありますが、日本語版はないようです。操作は数字キーを押すだけのシンプルなタイプでした。ちょうど現金を両替してきておいて良かったです。
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4. 伝説の「ヒマパンの森」を再現した庭園散策と巡礼ポイント

敷地内に足を踏み入れると、緑豊かな庭園が広がっています。この庭園は、仏教やヒンドゥー教の神話に登場する「ヒマパンの森」をイメージして造られたものです。
また、エラワン・ミュージアムでは10ヶ所の巡礼ポイントを回ることを推奨しています。まずは屋外のポイントを辿ってみましょう。
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プラケット・チュラマニー・チェディ(巡礼ポイント1)

500バーツの高額入場料を何とか回避できないかと、入場改札付近をうろちょろした後に、ギブアップ。素直に入場した後に現れるこの美しい仏塔は、インドの様式とアユタヤの様式を組み合わせて建造されたとのこと。
基部の仏像は7つに分かれていて、それぞれ誕生日の曜日で分類されています。タイでは自分の誕生曜日の仏像にお参りするのが一般的。
四面仏ブラフマー神(巡礼ポイント2)
ブラフマー神は、シヴァ神やヴィシュヌ神と並ぶヒンドゥー教の三大神の一つで、4つの顔と4本の腕を持つ創造神です。仕事や恋愛、健康など、あらゆる願いを叶えてくれる万能の神様としてタイでは大人気。庭園の東屋の中に、黄金の輝きを放って鎮座していました。
ブラフマーポンの象(巡礼ポイント3)
創造神ブラフマーが造った10頭の象で、知識や技術をもたらすとされています。これらの象の群れを一つひとつ巡ることで、庭園全体が宇宙の秩序を表現していることを肌で感じられます。
三神一体トリムルティ(巡礼ポイント4)

ヒンドゥー教の最高神であるシヴァ、ヴィシュヌ、ブラフマーの三神が合体した姿がこのトリムルティです。5つの頭と6本の腕を持つ独特の姿をしており、健康や繁栄、そして恋愛の願いを叶えてくれる最強のパワースポットとして知られています。
シヴァポンの象(巡礼ポイント5)

破壊神シヴァによって造られたとされる8頭の象で、権力や健康、そして仕事運をもたらすとされています。ヴィシュヌの象と似ていますが、こちらのシヴァポンの象の下を通っても鳴き声の仕掛けはありません。神様による性質の違いが興味深い。
ヴィシュヌポンの象(巡礼ポイント6)
維持神ヴィシュヌによって造られたとされる8頭の象の群れです。これらは富をもたらすと信じられているようです。
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ガネーシャの廟(巡礼ポイント7)
象の頭を持つ富の神様、ガネーシャ。4本の腕と太鼓腹が特徴です。障害を取り去り、財産をもたらす商業の神様、そして学問の神様としても世界中で愛されています。鮮やかなピンクの祠に黄金の像が映えていました。
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エラワン象に乗ったインドラ神(巡礼ポイント8)

インドラ神はインド神話の軍神であり、嵐と雷を司る雷神でもあります。彼は自身の乗り物であるこの巨大なエラワン象に乗り、天国や地上を巡回して平和を見守っていると言われています。善良な市民に悪と戦う力を与えてくれる寛大な神様です。
▼ ワットアルンの尖塔には、同様にエラワンに乗った「インドラ神」が鎮座してると言われています(肉眼では見えなかった)。
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5. 圧倒的な存在感。三頭象の全貌を見上げる

巡礼を終え、いよいよ三頭の巨大象「エラワン」の真下へ。象自体の高さは約29メートル、台座を合わせると地上約43メートルにも及びます。重さはなんと250トン。近くで見上げると、その緻密な彫刻装飾と、空を突くような象の頭部の迫力に圧倒されます。

少し離れた位置から眺めても、その異彩を放つ姿は圧倒的です。ピンクの台座は私たちの住む「地上の世界」を、象の内部は神々の住む「天上の世界」を表しています。
ピンク、グレー、そしてタイの青空が重なる景色は、まさにここならではの絶景です。
観音菩薩(巡礼ポイント9)
左手に聖水を持つこの観音菩薩は、唐の時代に人気があった女性的な姿を象っています。病気を取り払ってくれるご利益があると言われており、白壁に金色の装飾が映える美しい空間でした。
庭園の水景とナーガの像
奥へ進むと、池と小さな滝、そして緑に埋もれたナーガ(蛇神)の石像が現れます。噴水のミストが漂う中、レンガ敷きの道を歩くのはとても心地よい体験です。
池のほとりでは、蓮の花を水に浮かべて祈りを捧げるタイの人々の姿も多く見られました。散水中の熱帯植物も瑞々しく、ここがバンコクのすぐ隣であることを忘れさせてくれます。
▼ バンコク観光ではこのナーガをよく見た気がします。
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6. 施設内の展示と充実のショップ・カフェ
散策の終わりにはミュージアムショップやカフェへ立ち寄りました。店内にはカラフルな象のぬいぐるみが並んでいて、お土産探しにも最適。特に「エラワン・コーヒー」などのオリジナルメニューを楽しめるカフェは、タイの暑さの中での参拝後のクールダウンにぴったり。
Erawan Studio:タイ伝統衣装で記念撮影
敷地内にはタイ伝統衣装のレンタルができる「Erawan Studio」も併設。メイクやヘアセット、ポラロイド撮影のサービスもあり、巨大な象を背景に本格的な撮影を楽しむことが可能。まさに映えスポットの最前線ですね。
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移動のヒント:BTSスクンビット線の延伸で、エラワン・ミュージアムへのアクセスは格段に良くなりました。BTSの乗り方や、小銭不要で便利なラビットカードの使い方は、以下の記事で詳しく解説しています。
今回のまとめ:
- アクセス:BTS駅からバイタク(30B)が便利。入口は北側の正門を目指しましょう。
- 庭園:「ヒマパンの森」を再現した10の巡礼ポイントは必見。鳴く象を探してみてください。
- 準備:屋外・屋内ともに靴を脱ぐ場面が多いです。水分補給と「足元の汚れ対策」を忘れずに。

博物館を見学した後は、徒歩で駅へ戻りました。駅近くの少しさびれたマーケットで時間を潰しながら、次の目的地へ向かうGrabバイクを待ちます。今思えば、博物館の入り口から直接Grabを呼んでも良かったかもしれません(笑)。
【タイパ・コスパ重視】エラワン+古代都市+サンセットクルーズの決定版ツアー
エラワン・ミュージアムがあるサムットプラーカーンエリアは、見どころが点在している一方で、移動の足の確保が少し厄介です。「バイタクやGrabを毎回呼ぶのは面倒」「せっかくなら一日で効率よく絶景を巡りたい」という方には、ホテル送迎付きのプライベートツアーが一番確実です。
巨大象の神秘に触れた後、タイの歴史を凝縮した『ムアンボーラン(エンシェントシティ)』を巡り、最後はチャオプラヤー川でのサンセットクルーズでビール飲み放題……という、至れり尽くせりの内容。慣れない土地での移動ストレスをゼロにして、観光だけに集中したいなら、この選択肢はかなり「アリ」よりの「アリ」です。
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そして博物館の次は、いよいよ巨大象の「内部」に広がる驚愕の宇宙観についてレポートします。
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