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フィリピンの「レクト法」とは?車や家電のローン購入者を守る法律を解説

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フィリピンでコンドミニアムなどの不動産を購入する際は「マセダ法」が適用されますが、車や家電などの「動産」を分割払いで購入する際は、「レクト法(Recto Law)」によって消費者が守られています。

当初は「割賦販売法」として知られていましたが、現在はフィリピン民法の規定の一部となっています。

今回は、不動産購入とは異なるルールが適用される「レクト法」の仕組みと、万が一支払いが困難になった場合に購入者を守るための権利について解説します。

 

 

レクト法(Recto Law)とは?

レクト法(Recto Law)とは、動産(Personal Property)を分割払いで購入する消費者を保護するための法律です。

1933年に上院議員のクラロ・M・レクト(Claro M. Recto)氏によって起草されたため、通称「レクト法」と呼ばれています(旧・割賦販売法 第4122号)。
この法律の主な目的は、買い手がローンの支払いを続けられなくなった際に、売り手(ディーラーや金融機関など)による過剰な取り立てや権利の濫用を防ぐことです。

現在はフィリピン民法の第1484条〜1486条に組み込まれており、主に以下のケースに適用されます。

  • 自動車やバイクのローン購入
  • 家電製品や家具の分割払い
  • 購入を前提としたリース契約(所有権移転条項付きリース)

 

マセダ法(Maceda Law)との違い

フィリピンには購入者を守る法律として「マセダ法」もありますが、レクト法との最大の違いは「対象となる購入物」です。

  • レクト法(民法1484-1486条): 動産(車、バイク、家電、家具など)の分割払いに適用。
  • マセダ法(共和国法第6552号): 不動産(コンドミニアム、住宅)の分割払いに適用。

【関連記事】フィリピンの不動産投資に失敗する前に知っておきたい、分割での購入者を保護する法律(マセダ法)

不動産のマセダ法では、2年以上支払いを継続している場合に「支払猶予期間(Grace Period)」や「解約返戻金(Cash Surrender Value)」を受け取る権利が与えられます。

一方、動産を対象とするレクト法では、支払いが滞った場合に売り手が取れる法的措置を制限することで、買い手が「商品も取られ、借金も残る」という最悪の事態にならないよう保護しています。

 

レクト法が定める3つの救済措置

レクト法(民法第1484条)では、買い手が2回以上分割払いを滞納した場合、売り手は以下の3つの選択肢のうちいずれか1つだけを行使できると定めています。

  1. 残金の請求(Specific Performance):
    商品の返品を求めず、裁判を通じて残りの代金全額の支払いを請求する。
  2. 契約の解除(Rescission):
    売買契約をキャンセルし、商品を回収する。
  3. 抵当権の実行(Foreclosure):
    商品を差し押さえる(競売にかける)。

 

【重要】重複して請求することはできない

レクト法の最も重要なポイントは、「これらの救済措置は択一的(Alternative)であり、累積的(Cumulative)ではない」という点です。

例えば、売り手が「3. 抵当権の実行」を選び、車を差し押さえたとします。もし競売での売却額がローンの残債に満たなかったとしても、売り手は買い手に対して不足分(Deficiency)を請求することはできません。

つまり、「商品を没収された上で、さらに借金も払わされる」という二重苦(不当な搾取)を防ぐのが、この法律の核心です。

 

レクト法の適用範囲と注意点

レクト法は、基本的には「売り手(Seller)」と「買い手(Buyer)」の間で適用されますが、金融機関を通してローンを組む場合の「貸し手(Lender)」と「借り手(Borrower)」にも適用される場合があります。

 

適用されないケース

ただし、以下のケースではレクト法が適用されないため注意が必要です。

  • 一括払い(Straight Sale):
    頭金を払い、残金を後日「一回払い」で精算する場合など、分割払いではない取引。
  • 不動産の購入:
    前述の通り、これはマセダ法の管轄となります。

 

まとめ

フィリピンで車や高額な家電をローンで購入する際は、自分が「レクト法」によって守られていることを知っておくことが重要です。

万が一支払いが困難になった場合でも、この法律により「商品を返却(差し押さえ)すれば、それ以上の残債は免除される」という原則があります。
もしディーラーや銀行から、商品を回収された後にさらなる支払いを要求された場合は、レクト法違反の可能性がありますので、弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。

出典:https://www.lamudi.com.ph/journal/qa-what-is-the-recto-law/

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