本文作成後、力尽きてこの前文を書かずにアップロードしたところ、思わぬ反響がありましたので、後付けでこの前文を作成している高木です。
すこしセンセーショナルなタイトルでしたので、刺激的な記事内容を期待した読者のかたもいそうなので一言いっておきます。本記事はただのフィリピンにある防犯カメラの価格や用語を解説した記事です(笑)。
グーグルで「フィリピン 防犯カメラ」「philippines securitycamera」で検索してもなかなか防犯カメラの価格や用語解説の記事がみあたらなかったので、自分で作成しちゃいました。
フィリピンで防犯カメラ、セキュリティカメラの設置を考えている経営者のかたや総務のかたに重宝されそうな記事となっております。
フィリピンにある防犯カメラ(CCTV)本体の外観の種類
バレット(Bullet)タイプ
四角い箱型の本体に壁へ設置するアームがついた形状。
金融機関やショッピングモール、コンビニエンスストアなど、不特定多数の人が大勢出入りする施設等に広く普及している防犯カメラです。
あきらかに防犯カメラとわかるその外観は、不審者に対し警戒心を与え、犯罪を未然に防ぐ効果もあります。また、カメラレンズを取り外しできるタイプが多く、目的によってレンズを交換できるのも特徴です。
デメリットとしては、カメラの視線がわかりやすいため死角に入りやすい、ドーム型カメラと比べて監視範囲自体が狭いということが挙げられます。
フィリピンでは最も普及している防犯カメラの一つです。
ドーム(Dome)タイプ
最近主流のドーム型防犯カメラ。
半透明の半球型ケースの内部にカメラが納められたタイプです。
特徴としては拳銃タイプに比べてカメラの視線がわかりにくいため心理的圧迫が無いこと、死角がわかりにくいこと、防犯カメラ自体の存在もわかりにくいため犯罪者への未然の警戒心が薄くなることが挙げられます。
オフィスビルの廊下やエレベーターの天井、駐輪場や郵便受けのイタズラ防止対策でよく活用されています。
PTZタイプ
カメラの向きやズームなどを遠隔で操作できる機能のついたカメラ。PTZとは、カメラの視野制御の事で「Pan Tilt Zoom」の略です。
ボックス型やドーム型のいずれとも違う見た目が特徴的。PTZ機能が搭載される事により、固定のカメラよりも広い視野での映像確認が可能となります。ミニPTZという比較的小型の派生型もあります。
ライトバルブ(Light Bulb)タイプ
ライトバルブタイプは、実際の電球ソケットを利用して設置できる防犯カメラです。
電源確保の心配や、設置場所を探す手間がないのが最大のメリットです。
魚眼レンズ(Fisheye)タイプ
歪みを修正せずにたくさんの情報を撮影できるのが魚眼レンズタイプの特徴です。
遠近感や奥行、高さなどが際立ちますのでより動的な映像を撮ることができます。
画像提供:http://www.acecctvcamera.com/
防犯カメラ(CCTV)のデジタル(IP)とアナログ(CCTV)
デジタル(IP)カメラとは
IPカメラはLANケーブルで一度ネットワークハブを経由、その後レコーダー内のハードディスクにデータを録画。デジタルまたはアナログケーブルで監視用のモニターに映像を映す流れになっています。
気になる電力の供給はLANケーブルから電力を供給できるPoE(Power over Ethernet)対応機種であれば電源ケーブルは不要です。
デジタル(IP)カメラのメリット
- ケーブル伝送による映像の劣化が無い
- PCと同じようにレコーダーを介さず直接インターネットに接続して遠隔地のレコーダーまでデータを送信することが可能
- ONVIFという共通規格が普及しており、PTZ操作や外部センサーとの連携が異なるメーカーの機器間でも可能
デジタル(IP)カメラのデメリット
- カメラ本体及び、配線工事費用が高い
- 同軸ケーブルと比べると長距離の配線が難しい(~100m程度)
- ハッキングのリスク
- 設置に技術と知識が必要
- 映像出力の遅延の発生(遠隔の場合)
- クラウドサーバーの使用料が発生(クラウド化の場合)
アナログ(CCTV)とは
CCTVとは有線閉鎖回線TVのことで、同軸ケーブルを用いてカメラからコントロールユニット(ハブ)へ、そこからレーコダーへ映像を保存し、監視用のモニターで映像を確認する防犯カメラのシステムになります。
アナログ防犯カメラの最大の特徴は、導入コストが抑えられる点にあります。従来のアナログ(CVBS)方式に替わって、「HD-SDI」「EX-SDI」「ADH(後ほど解説)」「HD-TVI」等の、フルHD画質(1980x1080Pixel)での記録も可能な機種が増えてきました。
アナログ(CCTV)のメリット
- カメラ本体及び、ケーブルの価格が(比較的)安い
- 従来のアナログ用のケーブルで高画質なデータを伝送できる「アナログハイビジョン」なる技術も普及
- LANケーブルで接続するデジタル方式と比べると長い配線ができる(映像にノイズが入る可能性があるが~500m程度は余裕)
- 映像をリアルタイムでモニタリングする時の遅延が少ない
アナログ(CCTV)のメリット
- 同軸ケーブルで映像を伝送させるため、電磁波などのノイズで送信中に劣化することがある
- 録画機の性能によって記録できるカメラの台数(チャンネル数という)が決められているため、その数を越えて台数を追加することが出来ない
- カメラの首振りやズームなどの(PTZ)操作には別途ケーブルが必要だったりする
参考:防犯カメラ基礎!IP(ネットワーク)カメラとは?アナログ(CCTV)カメラとの違いは?
防犯カメラ(CCTV)のレンズの種類や性能
ADH(Analog High Definition)
従来のアナログ方式と画質が異なり2倍の画質のハイビジョン映像が監視可能になるカメラシステムです。
従来のアナログ方式で使用していた同軸ケーブルをそのまま活用できるので流用性が高く、アナログ方式はケーブルが50m以上あると画質が落ちるのに対してADHは400メートルほとの長距離回線も可能です。
HVR(Hybrid)
アナログカメラとIPカメラを両方対応できるビデオレコーダーの意味です。アナログカメラ/AHDカメラ/IPカメラに対応している場合もあります。
広角レンズ(wide‐angle lens)
広い範囲・広い角度を撮影できるレンズのことをいいます。
レンズの焦点距離までの長さが短い程、広範囲(広角度)が撮影できます。
オートフォーカスレンズ
バリフォーカルレンズ
解像度(Resolution)
画像を表現する格子の細かさです。(肌に例えるなら、キメの細かさです。)。画面に表示される“点の数”によって度数が変わります。
スタンダード解像度はCIF(360×240)、2CIF(720×240)、D1(720×756)、960H(960×582)などがあり、HD解像度は1080H(1080×960)、720P(1280×720)、1080P(1920×1080)などがあります。
参考:720Pとは
パン(Pan)、チルト(Tilt)、ズーム(Zoom)
パンはカメラを水平方向に回転させる機能、チルトはカメラを垂直方向に回転させる機能、ズームは遠くにあるものや近くにあるものを拡大(ズームイン)、縮小(ズームアウト)する機能です。
バンダルプルーフ(Vandal Proof)
バンダルプルーフとは、耐衝撃性のことです。ボディがアルミ(金属)で作られていたり等、打撃を与えても壊れにくく、ケーブルが外にむき出しになっていないため切断されにくいなど、耐久性に優れているという意味を表します。
モーションセンサー機能
防犯カメラの撮影範囲に動きがあった場合のみ撮影を行なう機能です。すべての映像ではなく、要所要所の録画となりますので長期の録画が可能となります。
フィリピンにある防犯カメラ(CCTV)のコネクター、プラグ、ケーブル等の値段
コネクター
コネクターはそれほど高価ではありませんが、高性能なものになると400ペソとかはざらにあります。下記で種類と価格を紹介します。
- DC Power Plug (male):5ペソ
- DC Power Plug (female):5ペソ
- BNC Connector:10ペソ
- 2 way VGA splitter:50ペソ
- BNC Compression type:24ペソ
- BNC to CAT5 Adapter:12ペソ
- Female to female BNC plug:6ペソ
- HD PVT 206B:400ペソ
- HD PVT CAT5/6:180ペソ
- HD PVT Coaxial:600ペソ
- HD video balun:50ペソ
- HD vide balun 5MP:90ペソ
参考:Connectors
電源関係
- DC12V Power supply 2A:130peso
- Switching Power Supply 5A:300ペソ
- Centralized Power Supply 20A:1,300ペソ
- Centralized Power Supply 9A:1,000ペソ
- DC 24V Regulated Powersupply 2A:235ペソ
- DC 48V Regulated Powersupply 2A:450ペソ
- DC19V^DC60V to DC12V 10A Power Converter:145ペソ
- DC19V^DC60V to DC12V 20A Power Converter:360ペソ
- Outdoor CCTV powersupply 3A:140ペソ
参考:Power Supply
ケーブル類
CATとはLANケーブルの性能を表しています。単純にCAT6のほうがCAT5より上位性能となります。
5や6の後についているEも性能の違いを表していて、CAT6EはただのCAT6より10倍の通信速度、2倍の伝送帯域を持っています。
また、この記事では出てこないですが、LANケーブルの種類で、UTP(unshielded Twist Pair)ケーブルとSTP(shielded twisted pair)ケーブルがあります。強いノイズを防ぐためのシールド付きのツイストペアケーブルがSTP、シールドが付いていないのがUTPです(画像あり参考記事:伝送媒体の種類)。
- CAT – 5E cable (indoor)(305m/1リール):1,260ペソ
- CAT – 5E cable (outdoor)(305m/1リール):1,800ペソ
- CAT – 6E cable (indoor)(305m/1リール):1,800ペソ
- CAT – 6E cable (outdoor)(305m/1リール):2,300ペソ
- HDMI Cable:60ペソ(1.5m)、80ペソ(3m)
- Siamese Cable(305m/1リール):2,850ペソ
- Video + Power Siamese Cable (3Mp):160ペソ(10m)、220ペソ(20m)、280ペソ(30m)
価格比較のため1mあたりの単価を算出してみました。
- CAT – 5E cable (indoor):4ペソ(305mリール)
- CAT – 5E cable (outdoor):6ペソ(305mリール)
- CAT – 6E cable (indoor):6ペソ(305mリール)
- CAT – 6E cable (outdoor):7.5ペソ(305mリール)
- HDMI Cable:40ペソ(1.5mパックの場合)
- HDMI Cable:27ペソ(3mパックの場合)
- Siamese Cable:9ペソ(305mリール)
- Video + Power Siamese Cable (3Mp):16ペソ(10mリール)
- Video + Power Siamese Cable (3Mp):11ペソ(20mリール)
- Video + Power Siamese Cable (3Mp):9ペソ(30mリール)
防犯カメラ(CCTV)の録画時間
ハードディスクの容量、カメラの画質・設定、レコーダーの性能によって、録画時間は異なってきますが、目安としてAHD2.0カメラを4台接続した場合は1週間の録画保存が可能です。
画素数やフレームレートの設定を小さくすることで、録画保存期間は長くなりますが、その分画像は荒くなります。
H.264圧縮方式やモーションセンサーを備えているレコーダーであればより録画保存期間は長くなります。
フィリピンで買える防犯カメラ(CCTV)のブランド、メーカー
Hikvision CCTV
中国深センの防犯カメラ会社。世界150ヵ国以上に販売網を持っています。

Wistino
中国の深センにある「Hc Shenzhen Technology Co., Ltd.」という会社のブランドがこのWistino。フィリピンをはじめ、インド、インドネシア、カザフスタン、パキスタン、ドバイ、マレーシア、バングラデシュ、メキシコ、ブラジルにオフィスを持っています。
Glofine
ハイテク企業のセキュリティ産業開発/生産/販売とサービスの分野を得意とする会社としてGuofeng Dongshengは北京で2006年に設立されました。Guofeng Dongshengは自社のCCTVブランドとして、Weiwoan RuiweiやGLOFINEを創出。
現在は北京と深センを中心に中国だけでなく、ヨーロッパ、アジア、アフリカへも進出しています。
Foscam
中国の深センで2007年に設立された会社。フィリピンではマニラのサンパロックに「Foscam Philippines」があります。
https://www.foscam.com/、http://foscam.com.ph/
ACE
ホームページの作り込みが恐ろしくアレなのでおそらくフィリピン企業かと思われます。ショールームとサービスセンターがチャイナタウンにあり、ディーラーがクバオにあります。クバオのディーラーは他社ブランドも取り扱っています。
フィリピン人とのやりとりマジ面倒くさい。
監視カメラの実機と値札の写真を撮ろうとしたら駄目だと言われ、別の奴に聞いたらOKだと言う(人によって言うことは違うと私は既に知っていた)。
やり取りが時間の無駄。
設置費ゼロと言っていたのに、よくよく聞くと設置サポートが無いもよう。 pic.twitter.com/KuyYCn0eih
— 高木耕壱@マニラ (@tiger_phili) 2018年11月24日
実際、クバオのディーラーに行きますと、まさかの塩対応。
無理やりとった写真。なかなか見にくいチラシ。
IP防犯カメラは堅牢性の問題から今回は見送る予定ですが、また必要になった時の参考にしたいと思います。
防犯カメラ(CCTV)をマニラの街中で購入する場合
クバオのECONO PC CORP
マニラの語学学校QuoollのブログにクバオでCCTVを購入したという記事がありましたので、様子見でいってみることにしました。
クバオの18thストリートというところに店舗があります。クバオ駅から歩いていけなくもない距離だったのですが、少し遠いのと時間がもったいなかったのでクバオ駅からタクシーで行きました。65ペソ。
この港の倉庫のようなところが店舗の入り口。18thストリートの真ん中あたりにあります。この日は日曜日で閉店でした(苦笑)。
カメラ2台とレコーダーのパッケージで4300ペソということでしたので、どんなものか見たかったです。
HANDYMAN
マニラに少し長く滞在していたら一度は目にしたことがあると思うHANDYMAN。細かい部品などは無く防犯カメラがパッケージで売られていました。
ブランドはGIRAFFEという無名のブランド。調べてみるとラトビアだかロンドンだかにオフィスがあります。ちょっとこの時点でパスって感じですね。
http://www.giraffevisual.com/en
ハンディマンのケーブル価格。ビデオケーブルが電源供給ありか無しかは、店員は言及してくれませんでした。
しかも在庫は無し。30メートルで600ペソなので、1メートル当たり20ペソです。
パッケージでダンボールがたくさん展示されていましたが、おそらく売り切り商品なのでアフターケアは無いでしょう。
あと同軸ケーブルも箱の中に無い、在庫も一切無いと言っていたので、なんでそんなものを売ろうとしているのかが良くわかりません。
ACEハードウェア
こちらはSMモールに必ず入っているACEハードウェア。前述のACEというメーカーとは関係無いと思われます。
このACEハードウェアではROVERというメーカーのXVIテクノロジーというブランドを取り扱っているようです。
ホームページをみようとしましたが、セキュリティ警告が出て見れませんでした。
モニターの前に積まれている箱が電源も供給できるCCTV用のゲーブルなのですが、こちらもあいにく在庫切れ。20mで449.75ペソ(1m当たり22ペソ)、30mで629.75ペソ(1m当たり21ペソ)。
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